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どんどん良くなる日米関係、外相の辞任など関係ない

2011年3月9日(水)

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アメリカの気づき

 前原誠司氏が外務大臣を辞任した。その是非はさておき、今日はアメリカから見た日米関係の重要性について述べてみたい。結論から言うと、何党が与党だとか、誰が外務大臣だとかに関係なく、日米関係は勝手にどんどんよくなっている。そして日米関係の重要性は今後も増していく。

 日米関係の重要性が増しているのは、地政学的な理由だ。マクロ経済分析に固有の企業名が出てこないように、地政学分析にも固有の政治家名や政党名は関係ない。機能不全の日本政治のハンディをも跳ね返してよくなるくらい、日本に対して地政学的に追い風が吹いているのだ。

 アメリカが気づいたのだ。東アジアが持つ経済的な重要性と、安全保障上の危険性に! そして、アメリカ一国で東アジアのチャンスとピンチをハンドルする力をなくしている、という自覚も起こっている。「東アジアにおける最高の2カ国関係」とアメリカが自負してきた米韓関係だけでは、東アジア情勢に十分に対応することはできないと認識したからだ。今こそ日本は、日米交渉で押しまくる時だ。

日米関係の重要性を認識させられた3つの機会

 上記のことは、アメリカに来て多くの人々と面談したり、報道に接したりする中で認識していたが、このところ立て続けにそれを再認識させられる機会に巡り合った。1つはケネディ・スクールで開かれた米国務省東アジア太平洋担当国務次官補カート・キャンベル氏を迎えての懇談会。次にハーバード大学政治学部で行われたアメリカ陸海空3軍の大佐クラスを囲んでの懇談会。最後に、外交官養成学校と言われるタフツ大学フレッチャースクールで開かれた米中関係フォーラムだ。

 キャンベル氏は、オックスフォード大で博士号を取得した後、海軍で諜報活動に従事し、クリントン政権でアジア太平洋担当の国務副次官補として日本の外交安全保障政策に深く関わってきた。その合間に、このケネディ・スクールで国際関係論を教えていた。目の前に陣取り、懇談させてもらった。

キャンベル次官補:中国人や韓国人の前で日米関係の重要性を断言

 キャンベル元国防次官補の話は切れがよかった。これには2つの意味がある。1つは非常に率直であったという意味。もう1つは科学的であったという意味だ。

 まず、教鞭を執っていた母校で、少人数の懇談形式だったので、気を許してストレートになったのであろう。

 ただ、話の枠組みはしっかりしていた。アメリカでは外交や安全保障は“科学"するものだ。アメリカの文系は本当の“社会科学"なのだ。数値データを駆使し、理論的に追求して普遍的な法則を発見していく明快な科学的なアプローチである。このため、国務省や国防総省において、プロジェクトや交渉の途中で人材が入れ替わってもいきなり仕事ができる。政治任用で大きく人材が入れ替わるアメリカ向きの実践的学問なのだ。

 内容の多くは、ここで紹介できない遠慮ない本音だった。特に日本の政治についてのコメントは秀逸。結論として「日米関係の重要性は増すばかり」と断言した。場所はアメリカだし、会場にはアメリカ人、中国人、韓国人もいたので、日本にだけ気を遣うはずもない。日米関係の客観的な重要性が増していることを論理的に説明しただけだ。言いぶりには日本に気を遣っているそぶりは微塵もなかった。

 アメリカ陸海空3軍の幹部も、全員が国際関係論の博士号取得者。「最後は、当然ながら、政治の決定に従うのが使命」としていたが、外交・安全保障について彼らなりの分析に基づく意見を持っていた。軍人である彼らも「アメリカの国益にとって、日米関係がますます重要になる」と指摘していた。

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「どんどん良くなる日米関係、外相の辞任など関係ない」の著者

田村 耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)

前参議院議員

早稲田大学卒業、慶応大学大学院修了(MBA取得)、米デューク大学ロースクール修了(証券規制・会社法専攻)(法学修士号取得)、エール大学大学院修了(国際経済学科及び開発経済学科)経済学修士号。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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