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日本経済復活の長期シナリオ

「3つの依存症」から脱却しよう

  • 濱田 康行

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2011年3月24日(木)

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 「3.11大震災」の経済的損失がどれくらいになるかまだ分からないが、どこかの時点で回復のシナリオを、しかも長期のそれを立てることが必要だ。日本経済は既に世界第3位に転落し、「日の沈む国」として世界から見られつつあったが、この難局から立ち上がる展望を示せなければ、今回の災害は経済大国ニッポンにとどめを刺した事件として世界史に書き記されるだけだ。

 震災前の日本はどんな状況だったか。政治的にはともかく、経済は楽観的見方にあふれていたようだ。その状況の根底を分析しながら、復旧への道筋を考えてみよう。

 新しい年になって、企業決算の好調が続いていた。東京証券取引所第一部上場企業(572社・金融除く)の2010年4~12月の決算は、営業利益84%増、売上高9.2%増となった。これはリーマンショック前の2007年の同期に比べて約90%の回復であった。

 新興企業の決算(ジャスダック証券取引所と東証マザーズ市場に上場する企業の合計589社)も好調で66%増(連結経常利益)である。このような数字をみて、もはやリーマンショックは癒えたとも思った。あの時、全治3年と言われた予想は当たったかのようであった。

 企業決算の好調もあって株価も回復していた。エジプト・アラブ世界の混乱、それにつられた原油高、そして基本底流としての円高という不利な条件のあるものの、日経平均が1万円の大台を維持していた。もちろん、カネ余りという金融要因という下支えもあった。

平均では語れないような2極分化が進行

 しかし、である。この繁栄・回復をよくみていくと様々な問題点も目についた。企業業績についていえば、平均値では語れないような2極分化が進行していた。金融を除く分野では、輸出に関連するか、さらに輸出の仕向先に中国の比率がどれだけあるかで明暗が分かれていた。

 格差がはっきりしていたのは、中小企業と大企業である。上場企業はほぼ大企業だが、日本の企業のほとんどは中小企業である。中小企業のなかでも比較的大きい企業を取引先としているのが商工組合中央金庫(商工中金)だ。ここが発表している景況判断指数によると、2010年11月のそれは45.0でやや低下した。

表 2010年半年間の動き(景況判断指数)

5 6 7 8 9 10 11
46.7 47.4 48.1 48.4 47.3 46.4 45.0

(商工中金取引先1000社)

 上の表で確認できるように、最も高かった2010年の夏でも判断の分かれ目となる50を上回っていない。それが年末にかけて低下し始めている。分野別にみると、これまた、かなりのバラつきがある。減税のあった、電気機械、一般機械、輸送機(自動車他)などは50を超えた月もあったが、小売業などは夏から急落し11月の数字は38.0であった。

 儲かっていても、その内容に首をかしげたくなる。そういう分野もある。典型は金融業であった。

 金融業は、株価的にはかなり出遅れていたが、1月に入って回復した。メガバンクも地方銀行も利益はかなりの高水準だが、よくみると金融業の本業の儲けは縮んでいた。貸出は伸びず、その分、国債を中心とした債券保有が増大した。決算が良好だったのは、2010年を通して長期金利は低下傾向だったため、国債価格が値上がりしたからである。

 地方に目をやれば、輸出関連企業が少ない北海道などは、ほとんど好転の兆しもない。景気ウォッチャー指数は12月から1月にかけ、マイナス0.8%で44.3である。全国11地区の単純平均ではまだ50以下であった。

 景気回復の本筋である消費は長期の低迷が続いていた。スーパーの売り上げは14年連続で減少。これはこの業種の構造問題、そしてデフレ直撃業種ということもあるが、日本という国に住む人々の貧困化が背景にあるのは間違いない。百貨店はもっと状況が悪い。2010年の売上高は28年ぶりの低水準、既存店レベルで前年比マイナス3.1であり、やはり14年連続マイナスだ。

平たく言えば「おカミ頼み」

 日本経済は数字上では回復していたが、質的には、構造的には回復していなかった。リーマンショックを契機に日本の資本主義は変質していたのだ(参考『オバマ大敗から読む「資本主義の第4楽章」』)。この構造変化を象徴するのが次の3つの依存症である。

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