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すねかじり族に隠れ結婚族。これ、どこの国の新語?

多様な「○○族」が映し出す、隣国の社会矛盾

2011年3月15日(火)

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 前回に引き続き「○○族」の話題です。といっても日本の話ではありません。お隣の中国の話です。

 前回紹介した通り、近年の日本社会では「○○族」の大流行が発生しにくい状況にあります。ところが中国社会では、ここ最近「○○族」の流行が起こっています。筆者は「日本語の」新語・流行語を専門にリサーチしています。しかしながらその作業過程で、中国社会が発信する「○○族」に出会う機会が最近とみに増えてきました。

 では近年の中国で、一体どんな「○○族」が登場しているのでしょうか。そして「○○族」の流行は中国社会のどんな状況を反映しているのでしょうか。今回は中国の「○○族」について分析したいと思います。

 なお本稿で示す「○○族」は、原則として、日本の漢字に差し替えて表記しました(日本の漢字で対応できる文字がある言葉のみ、本稿で取り上げることとしました)。その点、ご了承いただければ幸いです。

中国でも一般化した社会風俗としての「○○族」

 そもそも日本語の「族」と中国の「族」には、意味の違いがあるのでしょうか。

 日本語の「族」(ゾク・やから)は、広辞苑(岩波書店)が次のように説明しています。(1)同じ祖先から別れた血統を持つグループ。(2)同類の仲間。つまり「暴走族」や「ヒルズ族」などの「族」は(2)の用例に該当します。

 一方、中国語の「族」(ズー)も日本語とほぼ同じ意味を持っています。デイリーコンサイス中日辞典(三省堂)には、(1)民族、(2)古代の刑の一、(3)血のつながりのある一族、(4)共通の属性を持つ一類、とあります。今回お話する「○○族」は(4)に属する言葉となります。

 従って日本語の「族」も中国語の「族」も、辞書による説明の範囲では、あまり大きな意味の差はないと思ってよいようです。

 もっとも社会風俗に関連する「○○族」(日本語でいう「暴走族」「ヒルズ族」のような立ち位置の言葉)は、少なくとも1990年代までの中国語では、それほどメジャーな表現ではなかったようです。

 ところが最近の中国では、社会風俗的な「○○族」も頻出する傾向があります。例えば中国国際放送(旧北京放送)のウェブサイトは2010年11月26日に「中国、新語発表」と題する記事を掲載。中国教育省による2009年度の新語調査で「○○族、○○男、○○女、○○派などの集団呼称が目立っていた」ことを伝えています。中国教育省は一連の新語が「ネットで誕生している」と分析しました。

 では具体的に、最近の中国語ではどんな「○○族」が登場しているのでしょうか。ここから分野別に紹介していきます。

現代的な若者を表す「奔奔族」

 流行語の世界では、古今東西を問わず「世代区分」を表す言葉がよく登場します。最近の中国語で言えば、1980年代以降に生まれた世代を表す「80后」(80後)あたりが有名でしょう。この言葉は日本でもよく知られているところです。

 この80后とよく似た世代区分的な表現に「奔奔族」があります。直訳すると「駆け足族」。1975年から85年ごろに生まれた世代を指す言葉で「仕事や遊びのために街を駆け抜けるような人々」を指す言葉だそうです。日本の「就職氷河期世代」とほぼ同じ世代である点が、皮肉なところでしょうか。

 サーチナの記事「プレッシャー時代を生き抜け!『奔奔族』の実像」(2007年1月5日)によれば、中国のネット利用者は奔奔族の特徴として次の要素を挙げているそうです。まず草の根やネット社会を重視すること。これに、仕事と遊びを本気で両立させていること、経済的な困難と立ち向かうこと、顕示的消費(高級車やブランド品など)に興味がないことが続きます。

 中国という国は経済成長の渦中にありますが、都市生活者の視点で見ると「住宅を買うにも自動車を買うにもお金がかかる」という問題が見えてきます。このような経済的圧力の下、死にものぐるいで働くのが、中国都市部における現代的な若者像と言えそうです。

日本人には理解しにくい「吊瓶族」や「代排族」

 日本人には理解しにくい国民性や風習を表す「○○族」も存在します。例えば「吊瓶族」もその一つ。直訳すると「ビンつるし族」となります。これは「ちょっとした病気でも、すぐに点滴を要求する患者たち」を指します。

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「すねかじり族に隠れ結婚族。これ、どこの国の新語?」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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