• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

関東大震災時に登場した「コトバ」が教える教訓

「帝都復興」を合言葉に立ち上がった日本人

2011年3月22日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 2011年3月11日。この日は、日本人にとって忘れがたい日になってしまいました。東日本巨大地震が発生した日です。

 まずはこの震災で被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げます。また残念ながら犠牲となったしまった皆様に、謹んでお悔やみを申し上げます。みなさんの生活が一刻も早く復旧することをお祈りしております。

 今回は「過去の震災で、日本人がどのように復興に取り組んできたのか」について分析します。

 改めてこの連載の趣旨を説明させてください。本連載『社会を映し出すコトバたち』の目的は、言葉(新語・流行語)の背景にある社会の動きを分析することにあります。

 つまり震災当時に流行した言葉を分析することは、その当時の人たちがどのように復興に取り組んだのかを知ることにつながります。このような情報は、現在の日本人が持つべき指針の「ヒント」になるかもしれません。

 筆者がテーマとして選んだのは「関東大震災」当時の新語・流行語です。

大正デモクラシーの中で起こった大震災

 話は1923年(大正12年)にさかのぼります。当時の日本は「大正デモクラシー」と呼ばれる民主主義的、自由主義的な思想が普及した時期に当たります。東京では丸ビル(現在の丸ノ内ビルディング)がオープン。作家の菊池寛が、雑誌『文藝春秋』を創刊しました。

 この年の9月1日午前11時58分に起こったのが、あの「関東大震災」でした。震源は神奈川県相模湾沖、マグニチュードは7.9。地震に続く火事など一連の災害により、死者・行方不明者の総数は14万人を超えてしまいました。

 この震災の特徴は「首都を直接襲った災害」であったことです。まず浅草のランドマークである「凌雲閣」(通称、浅草十二階)の倒壊など、建物の倒壊が相次ぎました。大規模な火災も発生。当時、台風の影響で強風が吹いていたことから、火災旋風が広がりました(火災旋風とは、広範囲の火災のため炎を伴う旋風が発生し、火災の範囲がさらに広がる現象のこと)。この火災は約2日間続いたと言います。その結果、東京市(当時)では区内における全面積の43.6%が消失しました。

バラックで立ち上がり、鉄筋コンクリートで復興した

 ここからが本題です。震災当時の日本では、一体どんな言葉が流行していたのでしょうか。まず挙げるべき注目分野は「建築」でしょう。関東大震災は「住む場所や働く場所を失った震災」だったとも言えます。それゆえ、建築に関連する言葉が幾つか流行しました。

 例えば「バラック」という流行語もその一つ。簡易で安価に作った小屋を意味する言葉です。ただ当時のバラックは、もうすこし異なる意味を持っていたようです。つまり「建築基準を満たさない簡易な構造の建築物」という意味です。当時、特別立法によって市街地建築物法(現在の建築基準法)を満たさない建物でも建築が可能になりました。震災直後の東京では、公共機関、民間組織、個人が立てた簡易住宅が多数建ち並ぶことになりました。

 当時流行したはやり唄「復興節」(詳細は後述します)に次のような一節も登場します。「たちまち並んだバラックに/夜は寝ながらお月さま眺めてエーゾエーゾ/帝都復興エーゾエーゾ」。当時の人が、復興に向けてたくましく活動をしていた様子が分かります。

 またこの震災を契機に普及したのが「鉄筋コンクリート」でした。当時、東京では既に米国式の(耐震性を重視しない)鉄骨造のビルや、地震のある日本で独自に発展した鉄骨鉄筋コンクリート造のビルが存在しました。このうち鉄骨鉄筋コンクリート造のビルの被害が軽微だったため、この方式が主流になりました。

 鉄筋コンクリートによる代表的建築物は、日本初の完全洋風住宅である「御茶ノ水文化アパート」(1925年)や、財団法人同潤会が東京・横浜で建築を進めた「同潤会アパート」(1926年~1934年)でした。同潤会青山アパートの跡地は、現在の「表参道ヒルズ」(東京都渋谷区)に当たります。

コメント0

「社会を映し出すコトバたち」のバックナンバー

一覧

「関東大震災時に登場した「コトバ」が教える教訓」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

私の仕事は経営することではなく、リーダーであることです。

ジェンスン・フアン エヌビディア創設者兼CEO