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一国二制度で震災から日本を復興させよ!

日本の最大リスク「一極集中」を是正する

2011年3月28日(月)

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「今こそ日本はこの大災害を真の改革に生かすのだ」

 「震災で亡くなられた方々に対してお悔やみを申し上げる。これからの激動の時代、日本にはまだまだ色んな危機が来るかもしれない。今回の震災の危機管理を見ていて、国民の頑張りに比して、日本の政治や行政の対応に至らない面があると感じた。改善の余地がある。亡くなられた方々の魂を無にしないためにも、今こそ日本はこの大災害を真の改革に生かすのだ」。ブルッキング研究所に籍を置く日本通の名物研究員リチャード・ブッシュ氏が、ハーバード大学に来て懇談中に熱弁を振るってくれた。

 私は今回の震災の損害は、多くの人が想定するよりずっと大きいのではないかと思う。しかし、その困難も日本はきっと乗り越えられる※2。乗り越えるどころか、これを機に新しい時代に対応するための改革を実行して、さらに強い国になれると思う。

 その改革とは何か? それは一国二制度である(関連記事)。自治体に独自の法律や税制、規制を自主的に作る権利を与えるものだ。自治体にはその自由を与える代りに、自らが使うお金は自らが稼ぐことにする。地方交付税交付金のような“補助”は廃止する。

 具体的なイメージはこうだ。ここアメリカではニューハンプシャー州の消費税はゼロ。クルマやパソコンを買うときには皆がニューハンプシャーに行く。消費税ゼロで経済活性化を狙う自治体が日本に現れてもいい。

 ラスベガスがあるネバダ州には所得税がない。カジノで稼いで、住民の税負担を減らす自治体があってもいい。デラウェア州では企業経営者に有利な会社法を制定するとともに、法人税を全米で最も安いレベル(8.7%)にして、多くの巨大企業の本社を誘致している。独自の会社法や法人税で企業誘致を目指す自治体が日本にあってもいい。

 その他、高齢者が所有する資産への課税を減免し、富裕層を誘致する自治体があってもいい。英語を公用語にしたり、中国語を義務教育段階から必修にする自治体もいいだろう。シングルマザーに対する税制を優遇するとともに、職業訓練学校や託児施設を構える自治体も面白い。世界中から大学や研究機関を誘致して、教育やベンチャー企業育成に特化する自治体があってもいい。

 これにより3つの利点がある。一つは財政における“錯覚”を是正できること。国は、打ち出の小づちを持っているわけではいないのだ。2つ目は、リーダーを育成できること。誰に自治体を任せるかによって、住民の負担や地域経済の元気さが変わってくる。最後に、自由な自治体間競争からより良い制度が生まれてくること。それを国が採用することで、国全体を強くしていける。

電力不足の影響は深刻

 今回の震災が直激した被災地が生み出しているGDPは日本経済の7%以下である。当初は、経済への打撃は限定的だと言われていた。しかし、ここに来て難敵が現れている。電力不足と放射能汚染だ。火力発電所は、広野、常陸那珂、鹿島、東扇島の4カ所で停止している。最新式で出力が大きい発電所ばかりだ。東扇島を除く3カ所は太平洋岸に位置し、津波の被害が心配される。この4基の合計発電量は680万キロワットにも上る。

 原子力発電所の総発電量は、定期検査中のものも含めて1239.6万キロワット。4基の火力発電所と合わせて、約1900万キロワット分が止まっている計算だ。 これは東京電力の電力総供給量の3割を超える莫大なロスだ。

 やがて夏場という高需要期を迎える。東電は計画停電を夏場以降も継続するとみられる。首都圏には日本の人口の3割以上が集積し、GDPの約4割を叩き出す。中国広州を上回る、世界最大の経済集積地帯だ。灯りが半分消えたような元気のない首都圏は、消費者のマインドにも企業の生産高にも大きくブレーキをかける。少なくともこれから半年の間、この大経済圏に十分な電力が供給されないことがもたらす打撃は相当なものだ。

 これに放射能汚染による風評被害が加わる。福島を中心とする東北産の農産物や水産物には既に影響が出ている。首都圏でも、大気中や水道水中の放射能についていろいろな噂がささやかれるようになった。人々は外出を控え、家族の疎開を加速させる。福島原発の完全な処理が終わるまで、この風評被害は続く可能性がある。

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「一国二制度で震災から日本を復興させよ!」の著者

田村 耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)

前参議院議員

早稲田大学卒業、慶応大学大学院修了(MBA取得)、米デューク大学ロースクール修了(証券規制・会社法専攻)(法学修士号取得)、エール大学大学院修了(国際経済学科及び開発経済学科)経済学修士号。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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