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東電を待つ次なる危機

広がる原発被災の影響

2011年3月29日(火)

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福島第1原子力発電所では、自衛隊などによる懸命の原子炉冷却作業が続いている。しかし今後、事態が沈静化したとしても、東京電力には次なる危機が待ち受ける。損害賠償、廃炉、火力発電増による燃油コスト増…。泥沼の業績悪化に陥りかねない。

 「客観的な状況として再び稼働させるのが可能であるのかないのか、はっきりしている」

 東日本大震災で被災した東京電力福島第1原子力発電所が、使用済み核燃料プールへの放水などで放射性物質の大量飛散という最悪の事態回避へ大きく動いた 3月20日。報道陣に事態収束後の福島第1原発について問われた枝野幸男・官房長官は、意外なほどあっさりと廃炉の可能性に言及した。

 この時は、誰の目にも明らかな福島第1原発の廃炉を、政権幹部が改めて確認しただけとも受け取られたが、このひと言は東電に迫る「次なる危機」を浮かび上がらせた。

損害賠償負担を“回避”できるのか

 原発自体の危機が沈静化したとしても、その後、東電は廃炉や損害賠償に伴う膨大なコスト負担増の問題に直面せざるを得ない。

 本誌は今回、電力担当アナリストへの取材に独自試算を交え、東電の負担増額を算出してみたが、その額は最大で1兆円を超える可能性があることが分かった(下の表参照)。

 米格付け大手、スタンダード・アンド・プアーズ・レーティング・サービシーズ(S&P)の日本法人のアナリスト、柴田宏樹氏は「2011年3月期から2012年3月期まで最終赤字に転落する恐れがある」と予想。3月18日には、S&Pが東電の長期債格付けをAA-からA+に1段階、同じくムーディーズ・インベスターズ・サービスもAa2からA1に2段階引き下げている。

 そして両社とも、さらに格下げ方向で検討を継続していくとした。一体何が問題になろうとしているのか――。

 まず、原発建屋の水素爆発による放射線の飛散など、周辺住民や企業への損害賠償。これは地元住民の避難や放射線の被曝、企業・商店の休業など様々な損失を補償するというものだ。

 原発の損害賠償については一般の運転中の場合は、損害保険会社との保険契約で、地震など天災の場合は国と「原子力損害賠償補償契約」を結んでカバーすることになっている。ただし、電力会社がいったん損害賠償をした後、国から受ける補償額は、1事業所当たり1200億円が上限。それを超える甚大な被害には国会の議決が必要だ。

 制度上は、電力会社にほとんど負担がかからないことになるが、1200億円を超える巨額補償を国が行う場合、「国民感情からも東電が負担をしなくて済むかどうかは微妙」(S&Pの柴田氏)との声が少なくない。

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「東電を待つ次なる危機」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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