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電力不足を受けて登場した「節電ワード」を観察する

省エネとエコから紡いだ「電気利用」の知恵

2011年4月19日(火)

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 「節電」は、少なくとも第2次世界大戦のころには登場していた古い言葉であるようです。

 例えば日本国語大辞典(小学館)の「節電」の項目には、コメディアン・古川ロッパの日記が用例として登場します。「嘉納氏の奥さん曰(いわ)く、『節電々々で夜の暗いこと、まあ防空演習のお姉さんみたいですわ』」(古川ロッパ日記・1940年3月4日)。当時の厳しいエネルギー事情や、その背景にある国際情勢を思わせる記述です。記述の翌年、1941年には、米国が日本への石油輸出を禁止。太平洋戦争が開戦します。

 さてこの「節電」という言葉。戦争当時から現代に至るまでずっと「日本語の一般的語彙」として存在し続けてきました。オイルショックが起きた1970年代も、環境保護の意識が高まった1990年代以降も、生活に身近なキーワードであり続けたのです。

 東日本大震災が起こった3月11日以降、この「節電」の用例が急増することになりました。朝日、読売、毎日、産経の4紙をデータベース検索したところ、本文内に「節電」を含む記事数(月別)は2011年3月に832件と急増しています。また今月の記事数は4月10日までの段階で351件。単純計算すれば、月末までに1000件超の記事が登場する見込みとなりました。

 そこで今回は、震災後に用例が急増した「節電」という言葉について探ってみようと思います。特に「節電作戦」や「節電計画」などの「節電ワード(節電を冠した複合語)」を取り上げます。これらの節電ワードを通じ、電力利用を取り巻く社会環境がどう変化しつつあるのか探ってみることにしましょう。

今回の節電は「ピーク需要の抑制」が目標となる

 まずは、現在の電力事情の中で求められている「節電の姿」について再確認したいと思います。

 よく言われるように、電気はためられません。このため電気の「需要と供給」をリアルタイムでうまく釣り合わせる必要があります。そして電力の需要曲線(正確には「日負荷曲線」。電力需要の変化を時間ごとに示したグラフ)は、一般に昼から夜にかけてピークを迎えます。

 ところがこのピークの際、需要が供給を少しでもオーバーすると予測不能な大停電が起こってしまいます。実際1987年7月23日には、猛暑のために電力需要が急増したことから、首都圏で大規模な停電が発生しました。

 そして東日本大震災のため、1987年と似た大規模停電の可能性が再び高まってしまいました。東京電力や東北電力の火力発電所や原子力発電所の一部が、震災で止まってしまったためです。

 震災から3日後の3月14日以降、東京電力は「計画停電」(区分した地域ごとに行う停電)を実施することで、大規模停電を防ごうとしました。計画に編入された地域では、「予告もあり一時的で部分的だった」(つまり予期せぬ時間や区域で起こった大規模停電ではなかった)とは言え、実際に電気が使えなくなりました。このため病院の運営、工場の操業、商店の営業、交通インフラの維持(信号の点灯)などに支障が生じてしまったのです。このため「節電」の実現方法として、「停電以外」の方法を探る方向で検討が進むようになります。

 ちなみに計画停電は、暖かくなり暖房需要が減ったこともあり、3月28日を最後に実施されていません。また政府の電力需給緊急対策本部は今後、原則として計画停電を実施しない方針を打ち出しています。

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「電力不足を受けて登場した「節電ワード」を観察する」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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