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日本の「落日」映す円独歩安

2011年4月20日(水)

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不慮の大震災に見舞われた日本の景気が世界から取り残されつつある。欧米で高まる利上げ機運が助長する円安は、輸入で復旧・復興を支えるには痛手だ。日本経済の地盤沈下を最小限に抑えるため、復興策のスピード感が問われる。

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 東日本大震災から1カ月余りが経過し、外国為替市場では、円相場が主要通貨の中で独歩安の様相を強めている。震災発生直後こそ1ドル=76円25銭の最高値をつける波乱はあったが、その後の1カ月で10円近くも急落。約半年ぶりの円安水準となる85円台まで押し戻された。「日本売り」を想起させるこの動きは、勢いづく海外景気とは裏腹に、未曾有の災害にもがく日本経済の不透明さを映し出している。

 世界経済の好調な流れの中で、日本だけに見受けられる“淀み”は、主に景気と物価、金利の3つの面で、大きな格差として鮮明に表れている。

 今回の震災は、自動車や電子機器などの主要部品を中心に、主力製造業の生産拠点が集中していた東北地方の広い範囲を襲った。モノが作れなくなり、サプライチェーン(供給網)も断絶。どんなに海外で需要が高まっても、受注に応える力を失えば恩恵にはあずかれず、先々の発注先さえ失いかねない。

 震災の影響は、国内に広がる自粛ムードと相まって、個人消費の手も縛る。企業業績の落ち込みによる所得の減少を恐れるだけではない。復興資金の財源確保で将来の増税を意識することが消費者の財布のひもを固くし、デフレ基調を長引かせる可能性がある。

金利差と貿易構造の変化に着目

 一方、海外ではむしろ原油高や食料高に伴うインフレへの警戒感が日増しに強まっている。象徴的だったのは、欧州中央銀行(ECB)による7日の利上げだ。財政悪化が深刻なポルトガルが欧州連合(EU)に対し金融支援を要請した翌日の政策判断だった。ECBは南欧の財政問題を引きずる中で、インフレ抑制を優先したわけだ。

 これまで過去最低だった年1.00%から年1.25%への利上げはリーマンショック直前の2008年7月以来、2年9カ月ぶり。世界的な金融危機後で初めて、主要国・地域の一角が「出口戦略」に乗り出した。年内に、あと2回は追加利上げするとの見方も少なくない。

 米国は6月で量的金融緩和の第2弾(QE2)を終了するとの観測が広がっている。経済協力開発機構(OECD)の経済見通しによると、米国の実質成長率は前期比年率で1~3月期に3.1%、4~6月期に3.4%と、景気改善基調を維持する見込みだ。

 3月の米失業率も2009年3月以来、2年ぶりの低水準。SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは、「米国ではリーマンショック後の落ち込みが激しかった耐久財受注の回復とともに雇用情勢が改善しており、少なくとも今後1年程度は景気回復が続く」と指摘する。米連邦準備理事会(FRB)は今月から米連邦公開市場委員会(FOMC)開催後に定例の議長会見を開催する方針に転換。出口戦略を視野に、市場との対話を密にしたい構えだ。

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「日本の「落日」映す円独歩安」の著者

松村 伸二

松村 伸二(まつむら・しんじ)

前日経ビジネス副編集長

日刊紙の日本経済新聞、リアルタイム速報の日経QUICKニュース(NQN)、テレビの日経CNBC、週刊誌の「日経ビジネス」と、日経グループの様々な媒体を渡り歩き、マーケット記事を中心に情報発信を続ける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師