• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

“悪い風評”があっても、日本で学びたい子供たちがいる

第8回 「サマースクール2011」の実施を決めたワケ

  • 小林 りん,中西 未紀

バックナンバー

2011年4月25日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

東日本大震災により、亡くなられた方々に慎んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された地域の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

 2011年3月11日に起きた東日本大震災。この日を境に、日本は一変した。被災地の想像を超えた甚大な被害、それをとりまく社会の動揺を前に、多くの人々はそれまで自分が抱いていた価値観や常識に疑問を感じたはずだ。個人も企業も政治家も、この思いを胸に刻んで、新たな一歩を踏み出していかなければならないだろう。

 2013年、軽井沢に日本とアジアをはじめとする世界各国の子供が生活を共にする全寮制の高校を作る――。軽井沢インターナショナルスクール設立準備財団代表理事の小林りん氏が今まで実現のために尽力してきたこのプロジェクトにおいても、改めてそのミッションが見直される機会となった。

 開校に先駆けて、昨年に引き続き、今年も2週間のサマースクールを実施する。ただし、海外からの参加者が半数近いだけに、親と子供の不安を解消する必要がある。そこで開催地を軽井沢から関西地区に変更することも視野に入れ、エントリーの締め切りを当初の3月31日から、4月20日まで延長するなどの対応に追われている。

 一方で、「この学校の意義を再認識した」という支援者も増えているという。この全寮制高校が日本で開校することは、これからの日本においてどのような意味を持ってくるのか。小林氏が仲間たちとともに「ゼロから学校を作る」取り組みを見ていく。

第1回 「サマースクールで子供たちに教えられました」から読む
第2回 「学校って、どうやって設立するのでしょう?」から読む
第3回「恵まれた環境に感謝、そして社会に恩返ししたい」から読む
第4回「学校設立は、リーダー選びから始まる」から読む
第5回「自分の得意を活かせる人材を育てたい」から読む
第6回「米名門高校の校長が『教師を送りたい』と言った」から読む
第7回「フェイスブック創業者が受けた授業をやります! 」から読む

 その日は、毎月恒例の軽井沢インターナショナルスクール設立準備財団の理事会が東京・六本木のビル内にある和食店で会食をしながら行われていた。会議を終えて路面に出た瞬間、小林りんは不穏な揺れを感じた。

 「かなり大きかったな・・・」。そう思いつつ、まさか東北地方であれほどの被害が出ているとは思いもよらなかった。夜、自宅へ帰ってテレビをつけるまでは。2011年3月11日、東日本大震災が起こったこの日付は、日本の歴史に深く刻まれることになる。

 「これは、大変なことになった・・・」。にわかには信じがたい現実の光景を目にして、小林には被災地にいる人々の無事を祈ることしかできなかった。さらに、追い打ちをかけるような福島の原発事故。1カ月以上経っても収束しないこの問題がクローズアップされる段階になって、小林は自分たちのプロジェクトへの影響について考え始めた。

 アジアをはじめとする海外の親たちが日本で子供を学ばせたい理由は、「教育水準の高さ」だけではなく、「治安が良く、安全な国」というイメージが大きい。しかし、その「安全」というイメージが揺らいでいるのだ。

 「当たり前のことですが、今は学校より被災者の方への援助が何よりも先決だと思います。私も微力ながら主人と寄付をさせていただきました。みなさんのご寄付がなければ成り立たない学校の開校は、1~2年、遅れるかもしれません。でも、私は起こることには『意味』があると思っているんです。少しくらい遅れたとしても、それをプラスに変えていきたい。このプロジェクトは今後の日本にとって、ひとつの『復興のシンボル』ともなりうるものではないかと考えています」。

 小林も被災した日本に生まれた1人として、ここから新しい一歩を踏み出そうしている。

コメント1

「軽井沢にアジアのための全寮制高校を作ります!」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック