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復興会議、気がつけば「官」主導

復興計画特別リポート1 指揮官不在

2011年5月2日(月)

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東日本大震災からの復興計画を検討する政府の議論が本格化してきた。しかし、復興構想会議の議論は拡散し、政策反映への道筋も曖昧だ。「復旧より創造」とのかけ声が響く水面下で、「官」主導の構想が進む。

 「首相は同じ間違いを何度繰り返せば気が済むのか。あの会議が機能すると思っているのか」(政務3役の1人)

 菅直人首相の肝いりで4月中旬に始動した東日本大震災復興構想会議(議長・五百旗頭真(いおきべ・まこと)・防衛大学校長)。被災地復興に向けた基本構想作りを担うが、議論が本格化するにつれ、民主党内からも辛辣な発言が相次いでいる。

提言すれど、実現せず?

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 「復興構想をまとめて政権の延命につなげる」(菅首相に近い民主党議員)という菅首相の思惑とは裏腹に、党内外から批判の矛先が向けられる。第1の理由は、震災後に首相官邸に乱立した対策本部や会議を整理することなしに、新たな会議を立ち上げたことだ。

 「指揮系統が混乱し、ほぼ同じメンバーで会議ばかりしているのが実情。危機時ほど少人数で物事を判断すべきと批判されているにもかかわらず、組織を新設するというのは、有識者中心とはいえ混乱のもとになりかねない」

 岩手県知事も務めた増田寛也・元総務相は厳しい口調で断じる。

 2つ目の理由は、復興構想会議のメンバー構成や運営への疑問だ。菅首相が参考にしたのは、1995年の阪神・淡路大震災時の「阪神・淡路復興委員会」(委員長=下河辺淳・元国土事務次官)。公費による倒壊家屋解体などの提言を打ち出し、当時の村山富市首相を本部長とする「阪神・淡路復興対策本部」がそれに基づき、必要な法制度整備や復興事業を実行した。

 しかし、この阪神・淡路復興委と復興構想会議とは似て非なるものになりそうだ。前者の委員は下河辺委員長を含む7人に、後藤田正晴・元副総理と平岩外四・日本経済団体連合会名誉会長(当時)だけ。一方の復興構想会議はその下部組織の検討会議と合わせ、メンバーの多さが際立つ。各委員の発言時間が限られ、議論は深まりにくい。

 しかも、阪神・淡路復興委では、有力官僚OBである下河辺委員長を、官房長官などを歴任し、官僚機構の操縦方法を知り尽くした後藤田氏がバックアップする体制が機能した。各会合ではテーマを絞り、円滑な議論につなげた。学者中心の復興構想会議では、政治や行政システムを熟知した人物が不在。さらに、復興の財源論から文明論まで議論が拡散し、迅速かつ実のある話し合いには程遠いのが実情だ。

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「復興会議、気がつけば「官」主導」の著者

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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