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国民の信頼なくして増税なし

復興計画特別リポート3 蠢く増税構想

2011年5月6日(金)

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復興計画の検討が本格化すると同時に、復興財源を巡る議論も熱を帯びてきた。消費税率の引き上げか、所得・法人税の増税か、あるいは新税の創設か。いずれの増税策も、政府が国民の信頼を得られない限り、実行することはできない。

 政府による復興計画の検討と同時に、復興に必要な財源を巡る議論も熱を帯びてきた。

 内閣府の試算によると、東日本大震災の被害額は民間企業の設備や道路、港湾といったインフラだけで16兆~25兆円。総額では30兆円以上に膨らむといった民間の試算もある。阪神・淡路大震災の時を上回る巨額の財源が必要になることは避けられない。

 5月2日の成立を目指す2011年度第1次補正予算案では、基礎年金の国庫負担に充当するはずだった約2兆5000億円の転用や高速道路無料化の凍結などで計4兆153億円を捻出したものの、必要額にはまだ遠い。政府が6月にも国会に提出する方針の2次補正では、財源確保のための国債「復興再生債」の発行とその償還財源となる増税が議論の中心となるのは間違いない。

 増税には一部で慎重な意見も出ているが、大手新聞社の世論調査では復興のための増税に賛成する割合がいずれも5割を超えるなど、増税やむなしという考え方も広がりつつある。

増税論、財務省内でも意見割れる

 問題は具体的にどの税金を上げるかだ。手続きを考えると、既存の税目に復興税分を付加する形が有力だろう。

 現在、有力候補の1つに挙がっているのが消費税だ。4月中旬以降、政府内ではにわかに消費増税論が高まってきた。菅直人首相の経済ブレーンである内閣府経済社会総合研究所の小野善康所長は4月19日の講演で、「消費税であれば国民全体で負担を分かち合うことができる」と述べた。

 消費税上げが有力候補となっているのは、国民全体に広く薄く負担してもらえることに加えて、ほかの税目に比べて財源の確保が容易だからだ。消費税率を 1%上げると2.5兆円の税収増が見込める。国の負担が20兆円に及んだとしても、税率を現在より3%上げると3年間で返せる計算になる。

 政府内で急速に消費税上げの声が高まってきたことに対し、背後にいる財務省の影響を指摘する声が専らだ。現在の菅内閣が財務省に頼り切りになりつつある。

 ただ、財務省内部も消費増税で一本化されているわけではなさそうだ。財務省の中で復興財源として消費税を挙げているのは主計局が中心とされる。財政が逼迫する中で、確実な税収増が見込める消費増税が実現するのは望ましい展開だ。さらに、国民が新たな消費税率に慣れたところで、時限的に導入した復興税を年金などの社会保障財源に衣替えすることも可能になる。

 一方で財務省の中でも主税局は早期の消費増税には慎重とされる。財務省主税局OBである森信茂樹・中央大学大学院教授は「(復興税を社会保障の財源に衣替えすれば)何を目的に増税したかが分からなくなり、国民の不信を招く」と指摘する。

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「国民の信頼なくして増税なし」の著者

小平 和良

小平 和良(こだいら・かずよし)

日経ビジネス上海支局長

大学卒業後、通信社などでの勤務を経て2000年に日経BP社入社。自動車業界や金融業界を担当した後、2006年に日本経済新聞社消費産業部に出向。2009年に日経BP社に復帰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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