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金融危機から学ばない世界

2011年5月9日(月)

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戦後の世界経済をつぶさに見てきた元FRB議長のボルカー氏と投資家ソロス氏。金融危機を経た世界が何を学び、どこへ向かおうとしているのか2人が討論した。だが、大手金融機関の「大きすぎて潰せない」問題を含め、大きな進展はないようだ。

 ドルを基軸通貨とする戦後の国際通貨体制の枠組みを決めたブレトンウッズ協定ーー。その名は、第2次大戦末期の1944年7月、連合国を中心とする45 カ国の代表が米ニューハンプシャー州東部のリゾート地、ブレトンウッズに集まり、議論を重ね、同協定の締結に至ったことに由来する。

 その議論が展開されたブレトンウッズの同じホテルに4月8~10日、世界の著名な経済学者や政策立案者ら約300人が集まり、「危機と体制刷新:岐路に立つ国際政治経済学」をテーマに国際会議が開かれた。最終日に締めくくりのセッションとして、元米連邦準備理事会(FRB)議長で、オバマ政権下でも今年初めまで経済再生諮問会議議長を務めたポール・ボルカー氏と、著名投資家ジョージ・ソロス氏が、世界経済の現状と課題について語り合った。そのエッセンスをお届けしたい。

44年のブレトンウッズ会議は、経済的にも軍事的にも大国として台頭しつつあった米国が、交渉によって基軸通貨を英ポンドからドルに切り替えることに成功し、文字通り英国から覇権を奪った歴史的瞬間の場だった。

金1トロイオンス=35ドルと定め、そのドルに対し各国通貨の交換比率を定めた固定相場制。だがボルカー氏は、歴史的通貨制度改革は短期間しか機能しなかったと話す。60年代にエール大学のロバート・トリフィン教授が指摘したように、基軸通貨であるドルの流動性を世界に供給するには米国の経常収支が赤字にならざるを得ないが、それ自体がドルの信認低下につながるからだ。

 「当初十数年は誰もがドルを欲しがったため、世界中の金を米国が所有することになり、金流出という心配は全くなかった。だが私が財務省通貨担当次官に就任した69年頃には、問題が顕在化、いつ危機が発生してもおかしくない状況だった。

 通貨担当次官は国際通貨制度改革について大統領に助言する立場だったので、私は対策を検討すべく財務省内で何度も議論を重ねた。スライディングペッグ制*1の導入や金との交換に制限を加えるなど様々な案が浮上した。だが、出てきた改革案をすべて『そんな対策は機能しない』と却下したのが副次官補のジョージ・ウィリス氏だった。

 彼は既に高齢だったが、財務省内でブレトンウッズ会議にも参加した経験を持つ国際通貨問題に詳しい唯一の人物で、皆が彼の判断を頼りにしていた」

*1=クローリングペッグ制を指す。固定相場制の一種で、平価を切り下げまたは切り上げる必要がある際、連続的かつ小刻みに変更する方法

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「金融危機から学ばない世界」の著者

石黒 千賀子

石黒 千賀子(いしぐろ・ちかこ)

日経ビジネス編集委員

日経BPに入社後、英LSEに留学し修士取得。日経ビジネス、日経ナショナルジオグラフィック、日経ベンチャーを経て、2003年日経ビジネスに編集委員として戻る。主に、本誌の「世界鳥瞰」の欄を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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