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「1社1村」の農村愛がリードする韓国の地域活性化戦略

グローバル化で疲弊する農村を企業が守る

2011年5月17日(火)

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 「情けは人の為(ため)ならず」というが、競争社会のイメージが強い韓国でも、2004年以降、疲弊している農業・農村を守ろうとすると「1社1村」運動が盛んである。大手企業などが中心となって「農村愛」を交流の形にしたもので、地域活性化のきっかけとなっている。

 「1社1村」運動とは、2004年から始まった「都農交流」(都市・農村交流のこと)の一環で、2004年の対チリFTA締結による米市場の開放で大きな打撃を受けた農村に対し、1つの企業が1つの村と姉妹交流を行い、様々な形で支援する国民運動である。この運動の展開により、コメの開放によって「失意」が充満していた農村に「希望」の明かりが灯りはじめた。

 この運動を主導したのは、「文化日報」という新聞社と「農協中央会」、そして「全国経済人連合会」(全経連)による農村支援運動であり、社団法人「農村愛国民運動本部」がその推進母体となっている。

 支援の内容は、農作業の手伝い、農産物の直接取引、農村体験や観光、まちづくりなど多様である。この1社1村運動は、企業と農村を「Win-Win」関係で結ぶ双生発展運動である。参加する企業にとっては、農村に対する社会貢献(CSR)による企業イメージのアップが可能で、農村の村からは安全かつ安心できる農産物や自然環境の提供を通じて、地域のブランド価値を高められるメリットがある。

農産物の輸入拡大で影響を受ける農村を助けよう

 こうした1社1村運動の背景にあったのは、農村の高齢化とともに世界貿易機関(WTO)の推進、自由貿易協定(FTA)の拡大などの農業のグローバル化だ。農村は、これらの新しい挑戦に立ち向かう必要があった。

 農村愛運動は、都市の消費者及び各機関・団体と農業関係者が一緒に行う愛の分かち合いの実践運動だ。活力のある農村を創造し、国民の健康を守ることにより、農業人と都市民の生活の質を向上させる農都双生運動である。この農村愛運動が進められた背景を整理すると、以下のようになるだろう。

(1) FTAやDDA協議(WHOのDoha Development Agenda)など、農産物の輸入拡大により大きな被害を受ける農業や農村を助けようとする国民的な共感の拡大

(2) 単に農業の問題ではなく、国民的な関心と支援を通じて共に解決するための努力が必要

(3) 食糧安保の確保や農業の公益など、生命にかかわる重要な産業として、農業生産に対する重要性を改めて認識することにより農業に対するパラダイム転換

(4) 健康な農産物と快適な休息の場として、都市民の需要を充足し、農村と都市の相互の生活の質を高められる新しい双生(Win-Win)関係の確立

 また、日本の団塊世代と同じように、韓国においても2008年から600万人のベビーブーム世代(1955~1963年生まれ)のリタイアが始まっている。定年退職を迎えるこの世代を対象としたあるアンケートでは、約56.3%が引退後の生活場所として農村を希望しており、そのうち41.4%は農村への移住のために実際の準備に取り掛かっているという。

 農村愛運動にはサムスンや現代などの代表的な企業の参加が相次ぎ、社会的なトレンドとなった。2003年以降、約9000件の交流があり、初年度(2003年)には6400万ウォンだった交流額も、2005年には11億4200万ウォン、2006年には47億1300万ウォン、そして2007年には552億ウォンに爆発的に成長し、2009年には606億ウォンに達した。

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