シャープの液晶パネル工場が事実上の生産調整に陥っている。ソニーが約束していた工場への追加出資も先送りになった。屋台骨が揺らげば、業績への悪影響は避けられない。
シャープが4月上旬から、テレビ用の液晶パネルを作る亀山工場(三重県亀山市)と堺工場(堺市)の稼働を停止している。取引先の工業用ガス工場が東日本大震災で被災したことが原因。再稼働は5月の連休明けになる見通しだ。
液晶パネルの製造は、シャープの屋台骨を支える中核事業。だが、同社に、一刻も早く稼働再開を目指そうという焦りは見られない。
主力生産拠点が生産停止に陥りながら冷静なのは、震災後の自粛ムードで液晶テレビの国内販売が落ち込んでいるからだ。パネルの在庫が積み上がっており、すぐに稼働を再開したところで、結局、生産調整することにもなりかねない。
確かに震災で液晶テレビの売り上げは落ち込んだが、それは一時的なもの。調査会社BCNの道越一郎アナリストは、「デジタル家電の消費マインドは回復している」と言う。BCNの調査によると、震災があった週に、薄型テレビの国内販売台数は前年同期と比べて18%、翌週は25%減少したものの、3週目には前年並みに戻った。
市場の落ち込みがわずかであるにもかかわらず、在庫が膨れたのは、シャープが液晶テレビの売り上げの約6割を国内市場に依存しているからだ。大半を海外で販売するパナソニックやソニーに比べて国内依存度が高い。
亀山工場などで作っている液晶パネルの大半は、自社の液晶テレビ用。このため、国内のテレビ市場が少しでも冷え込むと、パネルの減産も余儀なくされる。




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