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アメリカで起こる「日本車争奪戦」

ガソリンと中古車の価格高騰で状況一変

  • 加藤 靖子

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2011年5月18日(水)

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 「もう、うんざりだよ」

ガソリン高騰にうんざりするディトマス・アヴィラ(米カリフォルニア州)

 ガソリンを愛車のピックアップトラックに入れながら、ディトマス・アヴィラはため息をついた。米カリフォルニア州のゴミ処理会社に勤めるが、毎日50マイルの距離を運転して職場に通っている。ガソリン代は、週に約60ドル、月に240ドルにも上るという。

 全米自動車協会(AAA)によると、5月15日の時点でニューヨーク、カリフォルニアなど14州と、首都ワシントンで平均ガソリン小売価格が1ガロン4ドルを超えた。最高値をつけているハワイでは4.45ドルにもなる。

 5月、カリフォルニア州の西海岸沿いの地域では、どのガソリンスタンドを回っても、1ガロン4ドルを切る店は見当たらない。高止まりする失業率に加え、ガソリン高が、アメリカ人の家計を圧迫している。

米西海岸でもガソリン価格が1ガロン4ドルの大台を超えている。安売りスタンドの「VALERO」でも4ドルを突破した。

 ガソリン高を受けて、消費者の行動にも、変化が見られる。米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)は、5月第1週のガソリン需要が前週比2.4%減少したと発表した。7週連続で需要が減少したが、この時が最大の下げ幅を記録する。ガソリン高を受けて、運転を控えようとするアメリカ人まで増えてきているという。

 エネルギーコンサルタントのジム・リターブッシュは消費者心理についてこう解説する。

 「1ガロン4ドルというガソリンの値段は、一つの大台と言える。自動車での旅行を控えたり、外出を控える傾向が出てきている。4ドルという数字が消費者行動の転換点になっている」

 しかし、米国民にとって自動車とガソリンは生活に欠かすことのできない必需品であり、「運転を控えるのは容易ではない」という見方も根強い。ホテルでディレクターを務めるスーザン・ディアスは悲鳴をあげる。

 「この価格は暴力的よ。仕事に行かなくてはならないから、『運転を控える』なんて不可能だわ」

 ディアスは月のガソリン代が300ドル程度かかり、多い時には500ドル近くまで上昇するという。現在、4人の子供を抱えて育児にも金がかかるため、ガソリン代を払うために、もう一つ掛け持ちの仕事を増やそうかと考えているところだ。

「みんな日本車を探している」

 こうしたガソリン価格の高騰を受けて、活況を見せているのが中古車市場だ。

 カリフォルニア州の西海岸沿いの地域にある中古車店「マックベイ・オート」も、連日、多くの客で賑わっている。

 店舗を営むジミー・チョウは「中古車を見に来る人が増えたよ。そのうちの多くが、日本車を探しているね」と言う。

 ガソリンが高騰し始めてから多くの客に対応してきたチュウは、現在の中古車人気についてこう分析する。

 「ガソリン価格の高騰によって、押し寄せてくる客は、低燃費の日本車を探している人ばかりだ。安定しない雇用状況から、少ない予算で購入できる中古車を選ぼうと考えているのだろう。また、借り入れの限度額が低い人は、中古車を選ぶしか選択肢がないというケースも多い」

 ところが、皮肉なことに、中古車の需要が増えてきたことで、中古車価格が上昇してきている。

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