• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

自動車減産で14兆円喪失

  • 加藤 修平,広岡 延隆

バックナンバー

2011年5月19日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

部品不足に悩む自動車メーカーの本格復旧は2011年度下期にずれ込みそうだ。本誌の試算ではトヨタ自動車は2011年度に約2割の減産を強いられる。日本全体の生産額は14兆円も減るとの見方もある中、円高や電力不安も重しに。

 東京都大田区でエンジン部品を生産するメーカーの社長が嘆く。

 「部品を作っても自動車メーカーは受け取ってくれないかもしれない。どれだけの量を生産すればいいのか」

自動車各社の生産見通し

 東日本大震災で、地震や津波による直接の被害がなかった自動車関連企業に困惑が広がっている。主に東北で被災した部品メーカーの復旧はまだ遠く、納入先である自動車メーカーの生産が平常に戻るのは2011年度下期にずれ込む見通しとなったためだ。

 トヨタ自動車は国内生産が正常化する見込みを「おおむね11~12月頃」と4月22日に発表した。その後、5月上旬の大型連休が明けてから、同社が生産を本格回復する時期が2~3カ月前倒しできるとの報道があった。

 本誌はトヨタの2011年度生産見通しについて、4月時点の発表シナリオ、早期回復シナリオなど3つの想定を置いて、機械的に試算してみた。すると、2011年度は前年度比で2割の減産が避けられないとの結果が出た。

 昨年12月にトヨタが発表した2011年の国内生産計画は前年比5%減の310万台。そこでまず毎月の生産台数をすべて前年同月比5%減と仮定する。生産半減となる4~6月はこの計画に対し50%、「順次生産を回復させる」起点とした7月を60%の生産水準とする。その後は1カ月ごとに計画比で10ポイントずつ上げ、10~11月に90%、12月に100%と計画通りの生産に回復。さらに、減産分を取り戻すために来年1~3月は増産に転じると仮定した。この場合、2011年度の生産台数は前年度比22%減となる。

ホンダの埼玉製作所
自動車各社は部品調達の様子を見ながら、年内の生産正常化を目指している(ホンダの埼玉製作所)

雇用24万人減の影響も

 仮に生産の復旧が大幅に前倒しでき、8月に計画比で90%の生産水準に達したとしても、前年度比16%減にとどまる。楽観的に見ても、2011年度の生産台数が2割近く減るのは避けられない勘定となる。

 自動車産業では、1つのサプライヤーの部品が最終的に複数の完成車メーカーに納品されることがよくある。1台当たり2万~3万点の部品は1点でも欠ければ生産できない。とすれば、完成車メーカー全体でトヨタと同水準の減産規模になる可能性もある。

 第一生命経済研究所の永濱利廣・主席エコノミストによると、仮に国内の自動車生産全体が20%減ると部品・素材産業やサービス業も含めた日本全体の年間生産額は13兆8400億円も減る。24万3000人もの雇用が失われるほどの影響があるという。名目経済成長率は約1ポイント下がる。日銀の計算で潜在成長率が「0%台半ば」となっている日本経済への下押し圧力は大きい。

コメント0

「時事深層」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の未来は、男性と同じ程度、女性のリーダーが作っていくものだと確信している。

ビル・エモット 英エコノミスト誌元編集長