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官邸vs経産、「原発」巡る攻防

2011年5月24日(火)

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原子力発電所事故を受け、エネルギー政策の見直し論議が始まった。原発依存からの脱却、電力会社の地域独占の検証など課題は山積している。大幅な修正を探る首相官邸と守勢に回る経済産業省の攻防も激化してきた。

 東京電力福島第1原子力発電所事故の損害賠償(補償)を巡る枠組みがようやく決まった。公的支援と電力会社の負担で東電が債務超過に陥るのを防ぐことを優先し、補償費用の分担割合など随所に曖昧さが残る内容に、与党内からも疑問の声が相次いだ。

 関係者の関心は早くも次の攻防に向けられている。主戦場となるのが、原発推進を柱とする国のエネルギー政策の見直し。水面下で首相官邸と経済産業省の激しい主導権争いが始まった。

「嫌・経産省」で突き進む菅首相

 「従来決まっているエネルギー基本計画は、いったん白紙に戻して議論をする必要がある」

 5月10日の菅直人首相のこの発言が、経産省に衝撃を与えた。同省との事前のすり合わせなしに飛び出したものだったからだ。

 政府は昨年6月に閣議決定したエネルギー基本計画で、総発電量に占める原発の比率を2030年に5割(2009年度は3割)程度まで高める目標を掲げた。現在54基ある原発を14基増設し、稼働率を90%(同66%)に引き上げるとしていた。菅首相は安全性を高めたうえで原発の利用を継続する意向も示したが、この計画の修正が原発の新増設計画の見直しにつながる可能性は高い。

 原発推進の立場から、経産省と蜜月関係にある自民党関係者が解説する。

 「経産省からの原子力安全・保安院の分離をはじめ、組織見直し論を最小限に食い止める。現行の10電力・地域独占体制を維持する。こうした思惑のためにも、経産省と電力各社、政界などの『原子力ムラ』関係者は現在の計画をあまり変えたくないということだ」

 もちろん、経産省も手をこまぬいていたわけではない。4月28日には海江田万里・経産相が、同相の私的諮問機関として、有識者からなる「エネルギー政策賢人会議」を設置しエネルギー政策全般の議論を開始すると表明。「官邸が大幅な政策変更へと突っ走る前に先手を打とうとした」(経産省幹部)。

コメント7件コメント/レビュー

官邸は市民運動家首相の背後に、反原発運動家が指揮する牙城となった様だ。ただし国民も冷静に考えた方が良い。原発とは、用地取得から廃炉までの百年国策のシロモノなのである。途中で止めようと思っても冷やし続け、放射性廃棄物は最大3万年間ひっそりと保管し続けるものなのである。近い将来、高効率の放射性除去物質が開発されることを期待する。菅首相が浜岡停止を決めたが、百年国策に気が付いたのか廃炉方針でもない様だ。将来計画も無く藪から棒に発表するのが癖で、諸官庁も右往左往している。地震列島に原発安全の地など有ろうはずもなく、競馬に例えれば本命馬券を買っただけだろう。国民も福島原発の炉心溶融で心変わりしたむきが増加したが、虎穴(原発推進)に入らずんば虎子(経済成長)を得ずで長い間自民党政権を支持してきたことも真実である。本気で百年国策の原発を捨てる覚悟があるのなら、一刻も早く国民に信を問う総選挙を実施すべきである。(2011/05/24)

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「官邸vs経産、「原発」巡る攻防」の著者

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

官邸は市民運動家首相の背後に、反原発運動家が指揮する牙城となった様だ。ただし国民も冷静に考えた方が良い。原発とは、用地取得から廃炉までの百年国策のシロモノなのである。途中で止めようと思っても冷やし続け、放射性廃棄物は最大3万年間ひっそりと保管し続けるものなのである。近い将来、高効率の放射性除去物質が開発されることを期待する。菅首相が浜岡停止を決めたが、百年国策に気が付いたのか廃炉方針でもない様だ。将来計画も無く藪から棒に発表するのが癖で、諸官庁も右往左往している。地震列島に原発安全の地など有ろうはずもなく、競馬に例えれば本命馬券を買っただけだろう。国民も福島原発の炉心溶融で心変わりしたむきが増加したが、虎穴(原発推進)に入らずんば虎子(経済成長)を得ずで長い間自民党政権を支持してきたことも真実である。本気で百年国策の原発を捨てる覚悟があるのなら、一刻も早く国民に信を問う総選挙を実施すべきである。(2011/05/24)

震災から派生した福島原発問題そして浜岡原発停止決定や国のエネルギー政策の転換提案。政・財・官の動きを注意して見てきて、今思うことは、経産省の原子力ムラのオエライさんと自民党の原子力推進派および恩恵を受けている産業界のタッグはそれぞれの利害が一致していているので、今でもものすごく強力なタッグを組んで利権を死守しようとしてるのだ、というのが見えてきました。そして総理以下官邸は主導権を彼らに奪われないために必死に抵抗しているのでしょう。原発は決して安全でも安価でもないことがはっきりと分かった以上、エネルギー政策を見直して、自然エネルギーの開発・活用に向かうのは当然だと思います。確かに、現在の官邸は頼りないけれども、有権者がこのまま敵方の上手な口車に乗っかって現政権を潰してしまえば、確実に原発推進国に舞い戻るだろうという強い不安があります。自民党は管総理の失策を激しく突付くことで、原発推進から有権者の目をそらしているだけなんじゃないでしょうか?(2011/05/24)

有意義とは程遠い議論は税金の無駄以外の何物も無いので、今まで国民に信を問うてきた事の無いエネルギー政策(原発利用)について国民投票を実施し、政治や官僚はその「結果を実現」する為の対策を議論すればよい。  既得権益にまみれた連中にまともな議論など出来る筈が無いし、もう国民は政治や官僚、原発推進派のお抱え学者の事など誰も信用していない。 いずれにせよ、民間では自家発電に向けたパラダイムシフトの動きが顕在化しているので、無能な連中の議論の間に原発が不要になる環境が形成されるだろう。 政治と役所は、民間の足を引っ張らない様にしていて下さい、国民の為を思い、国民を引っ張る心と力を身に付けるまでは…。(2011/05/24)

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