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弁当ワードから見る、食のアウトソーシング事情

節約と外部化がせめぎ合う消費者心理

2011年6月1日(水)

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 独身で、仕事場が自宅。しかも、自炊の習慣を持たない筆者は、コンビニで購入する弁当が「生活の生命線」です。食費の多くを、近所のコンビニに支払っています。筆者の生活は「食をコンビニにアウトソーシング(外注)している生活」だと言えます。

 さてみなさんは、食生活の中でどのようなアウトソーシングを行っていらっしゃるでしょうか。完全自炊派の人もいるかもしれませんし、逆にほとんどの食事を外食に頼っている人もいるかもしれません。アウトソーシングの度合いは人それぞれでしょう。

 食のアウトソーシングを考えるときにカギとなるのは「弁当」です。面白いもので「弁当」は、少なくとも平安時代の昔から存在し長い歴史を持っていながら、21世紀の現代においても新概念を生み続けています。みなさんも「キャラ弁」「空弁」「弁当男子」などの言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。そしてこれらの新概念は「日本人がどのように食のアウトソーシングを進めているのか」という社会状況を垣間見せています。

 今回の「社会を映し出すコトバたち」は、新旧の「弁当ワード」を概観しつつ、その背景にある「食のアウトソーシング事情」について探ってみようと思います。

日本の食文化に深く根づいている「弁当」

 まずは弁当の基礎を復習します。弁当は遅くとも平安時代には登場していた食文化です。調理済みの料理を携帯する食習慣は世界各地に存在するものの、弁当のように「容器の中に複数種の料理を詰め合わせる」スタイルは日本だけで独自に発達しました。冷たくても美味しく食べられるご飯(ジャポニカ米)の存在が、このスタイルを確立する原動力となったようです。

 ちなみに「弁当」という言葉は、本来「便利なこと」「都合が良いこと」を意味します。そのルーツは南宋時代の中国語である「便當」です。この言葉が「外出先で食事するために、容器に入れて持ち歩く食事」も指すようになったのは、安土桃山時代であったといいます。

 広辞苑が掲載している「弁当ワード」をながめると、弁当の歴史、中でも江戸時代以降の弁当事情をふり返ることが可能です。

 例えば「腰弁当」は、江戸時代の下侍(しもざむらい)や旅行者などが腰に下げて持ち歩いた弁当を指します。竹の皮やカゴに、おにぎりを収めたものです。この「腰弁当」は、明治時代に「腰弁」という略語となって再流行しました。安月給の下級役人が、やはり腰に弁当をぶら下げていたことから、その弁当や役人自身を指して「腰弁」と言うようになったのです。

 また「幕の内弁当」は、江戸時代に、能や歌舞伎を鑑賞する客が幕間(まくあい)にこの弁当を食べたこと起源だといいます(ただし成立の経緯については諸説が存在します)。この弁当は、現在でもコンビニ弁当などで一般的なスタイルであり続けています。

 このほか鉄道で販売される「駅弁」(鉄道が普及した明治時代に成立)、十字の仕切りが特徴的な「松花堂弁当」(昭和初期に成立)、フタ付きの大きな金属製ケースを使う「どかべん」(土方弁当の略で昭和に成立)などもあります。弁当ワードをながめることで、時代ごとの社会背景を把握できることが、お分かりいただけたでしょう。

外食、中食、内食のすべてにかかわる「弁当」

 ところで外食産業では、市場分類の用語として「外食」「中食(なかしょく)」「内食(うちしょく、ないしょく)」という表現を使います。

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「弁当ワードから見る、食のアウトソーシング事情」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官