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とかく話題の中心になり始めた中国系アメリカ人

駐中国大使も出せば、教育論争も巻き起こす

2011年6月14日(火)

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「中国人排斥法」から130年、特命全権大使を送り込むまでに

 台頭する中国と超大国アメリカ。中国による海軍力とサイバー戦力の強化は、軍事的にアメリカを震撼させるに至っている。経済・貿易面での不協和音も高まり続けている。その一方で、相互依存は深まるばかりだ。米中関係は「タテマエとホンネが交錯する中で新たな段階に入りつつある」(米国務省元高官)。

 こうした状況下で、米国では、中国系アメリカ人の存在に注目が集まっている。

 中国人は130年前、貧困から逃れるために太平洋を渡り、北米大陸にたどり着いた。金鉱堀りや鉄道敷設で労働力としての職を得て、米国での居場所を確保した。しかし、それもつかの間。1882年に「中国人排斥法」が成立し、彼らは在住を拒否された。さらに、サンフランシスコ湾に浮かぶ小島、エンジェルアイランドの不法入国者収容所にぶち込まれた。その数、延べ17万5000人。

 その後の紆余曲折を経て、現在アメリカ国籍を持つ中国系は、台湾系、大陸中国系、香港系など出自は様々だが354万人に達する。かってエンジェルアイランド収容所に監禁された中国系の子孫は今や、“祖国”中国に、特命全権大使を送り出すまでになっている。米国に根づき、その一翼を担い始めているのだ。

依然くすぶり続ける、中国系アメリカ人の対米忠誠度に対する疑問

 米上院外交委員会は5月26日、オバマ大統領が駐中国大使に指名した中国系3世、ゲーリー・ロック氏(61=駱家輝)を承認するかいなかの聴聞会を開いた。

 委員長席にはかって民主党大統領候補だったジョン・ケリー上院議員。その横にはブッシュ共和党政権下で委員長を務めたリチャード・ルーガー議員ら3~4人のメンバーが顔を揃えた。

 共和党サイドは当初、ロック氏は「中国に近すぎる」という点を突こうとしていたとされる。ワシントン州知事だったロック氏は、頻繁に中国を訪問し、江沢民・国家主席(当時)ら中国共産党首脳らと太いパイプを築いた。商務長官時代にも幾度も訪中していた。

 中国系アメリカ人は中国との関係について、常に疑念を持たれる。というのも、米連邦捜査局(FBI)が中国系アメリカ人をスパイとして逮捕・起訴する件数が年々増えているからだ。スパイ事件の容疑者を人種別に見ると、中国系が一番多い。

 中国人のスパイ活動を監視してきたFBI捜査官のI・C・スミス氏は、米中経済安全保障検討委員会が2009年4月に開いた公聴会で「冷戦終了後、大規模なスパイ活動をやっているのは中国だ。特に米中央情報局(CIA)やFBIの中枢に入り込み、機密情報を盗み出すケースが目立っている」と証言している。

中国系アメリカ人が駐中大使になることを、アメリカ人はどう見ているのか

 ロック新大使人事をめぐって、共和党内にはこんな声があった。

 ロック氏はまったく中国語がしゃべれないし、読めないらしい。そうした中国系アメリカ人を中国政府・共産党は「同胞」と見るだろうか?

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「とかく話題の中心になり始めた中国系アメリカ人」の著者

高濱 賛

高濱 賛(たかはま・たとう)

在米ジャーナリスト

米政治・経済・社会情勢を日本に発信している。1969年、米カリフォルニア大学卒業、読売新聞社に入社。米特派員、総理官邸・外務省担当キャップ、デスクを経て、調査研究本部主任研究員。98年からUCバークレー校上級研究員。同年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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