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「政局」の裏で進む増税シナリオ

  • 安藤 毅,小平 和良

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2011年6月20日(月)

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社会保障と震災復興の財源確保策として増税の検討が進んでいる。財務省が悲願とする消費税増税に加え、所得税などの引き上げも俎上に載る。菅直人首相の後継が野田佳彦・財務相なら、「増税シフト」加速は確実だ。

 菅直人首相が東日本大震災などの対応に「一定のメド」がついた段階での退陣を口にして以降、「いつ菅首相が辞めるのか」が最大の関心事となった永田町。「ポスト菅」を巡るうごめきや民主、自民両党などによる「大連立」構想に注目が集まる中、首相官邸に設けられた会議を舞台に、増税へ向けた仕掛けが着々と進んでいる。

 社会保障と税の一体改革に向けた政府の集中検討会議(議長は菅首相)と、東日本大震災の復興策を検討する政府の復興構想会議(議長は五百旗頭真・防衛大学校長)の2つがそれだ。

結論ありきの「5%増税」案

 まずは、政府の集中検討会議。今月2日、年金や医療を充実させるため、消費税率を2015年度までに段階的に10%へ引き上げる改革原案を公表した。消費税収の使い道を社会保障に限定する「目的税」化を打ち出したことも含め、民主党の「財政健全化」路線議員などから評価する声も出ている。

 しかし、原案に目を凝らすと、高齢者向け給付の抑制はほぼ手つかずのまま、低所得者の年金加算など機能強化メニューを積み上げたため、給付総額は現行制度より膨らむ。これでは、少子高齢化で揺らぐ社会保障制度を持続可能に、という本来の改革の主眼から大きく外れることになりかねない。日本総合研究所の山田久ビジネス戦略研究センター所長も「歳出削減がなく、『一体改革』になっていない」と話す。

 「消費税5%増」の論拠を疑問視する向きもある。経済産業省幹部は「昨年の参院選直前に菅首相がぶち上げた『消費税10%』の論拠を示した格好だが、結論ありき、と言われても仕方ない」と話す。政府・与党は月内に最終案をまとめ、今年度中に消費税率の引き上げ幅などを盛った税制改革関連法案の国会提出を目指す段取りを描く。

 もう1つの復興構想会議では、月内に決める政府への第1次提言に、10.1兆~16兆円とされる復興費用を復興債(国債)の発行で調達し、その償還費用を消費税、所得税、法人税の「基幹税」の臨時増税で賄う案を明記する方向が固まった。1次提言の素案には、復興財源について「国民全体で広く復興を支え、今を生きている世代で確保」と明示。復興債は「60年償還ルール」が適用される建設国債や、赤字国債とは一線を画し、あらかじめ償還財源を決めておくという意図が鮮明だ。

 消費税は、国民全体に薄く広く負担してもらえ、巨額の財源を短期間で確保できる利点もある。税率を2~3%上げれば2年ほどで10兆円超の財源を確保できる計算だ。ただ、政府は消費税を社会保障財源の柱とする方針だ。被災者や低所得者に負担を強いることへの懸念もあり、政府内では慎重な見方が広がる。

 有力視されるのが、所得税の定率増税だ。被災者や低所得者の課税を免除しやすい利点がある。ただ、10%の定率増税で確保できるのは年1兆円。10兆円超の復興費用を所得税だけで賄えば、増税期間は10年超と長期に及ぶ。

 法人税を定率増税する案もある。法人税の10%の定率増税で確保できるのは数千億円から1兆円。仙谷由人・官房副長官は所得税、法人税の税率をともに1割増しする案を提唱し、「必要な財源が10兆円なら5年間で返せる」と語る。たばこ税などの増税説もある。

 政府は1次提言を受けて、政府税調などで増税の税目や、幅、時期の検討に入る。2011年度の追加大型補正予算案と合わせて、8月にも復興債や増税の関連法案をまとめるシナリオだ。

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