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クラウドって結局ナニ?のモヤモヤを一刀両断

『アップル、グーグル、マイクロソフト --クラウド、携帯端末戦争のゆくえ』の岡嶋裕史・関東学院大学経済学部准教授に聞く

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2011年6月23日(木)

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―― マイクロソフト、グーグル、そしてアップル。現在、インターネットでしのぎを削る三大企業ですが、それぞれの企業戦略の理念は、「クラウド」という軸で明確になると説いておられますね。でも、そもそも「クラウド」自体がつかまえにくい概念です。

岡嶋 「クラウド」のイメージを考えるには、コンピュータを発電機になぞらえるとわかりやすいと思います。発電機が電気を生み出すように、コンピュータとは「計算能力を生み出す機械」だと考えてください。

―― 「計算能力=電力」。そう考えると、パソコンというのは、各家庭に発電機があるようなもの、というわけですね。

岡嶋裕史(おかじま・ゆうし)
1972年、東京都生まれ。中央大学大学院総合政策研究科博士後期課程修了。富士総合研究所勤務を経て、現在、関東学院大学経済学部准教授。専門は電子政府、分散ネットワーク、セキュリティマネジメント。著書に、『数式を使わないデータマイニング入門』(光文社新書)、『コンピュータVSプロ棋士』(PHP新書)、『構造化するウェブ』(講談社ブルーバックス)、『実験でわかるインターネット』(岩波ジュニア新書)など。NHK教育テレビ「中高年のためのらくらくパソコン塾」などの講師も勤める。(写真・大槻純一)

岡嶋 そうです。そして、電気は溜めておけません。つくってすぐ消費しないとなくなってしまう。だから初期段階では、電気を使いたい人は家に発電機を買って、電灯をつけたりしていたわけです。

 けれども、これはとても効率が悪い。発電機を買ってきて自分で動かさなきゃならない、壊れたら直さないといけない。パソコンもそうですね。Windowsだったら「Windows Update」なんていう面倒くさいことが、邪魔されたくないタイミングに限って不意にやってくる(笑)。

 というわけで、初期段階をすぎると規模の経済の追及が始まります。電力の場合は発電所をつくって各家庭に供給する仕組みをつくった。これと同じように、大量のコンピュータをデータセンターに置いて、大規模な計算能力を生み出すわけです。計算能力は電線では配れませんから、データセンターでソフトも動かしてしまい、計算結果だけ各家庭に戻すかたちになってきた。簡単にいえば、これがクラウドの本質だと思います。

「家ごとに発電所」で勝ってきたマイクロソフトの苦悩

―― では順番に見ていきましょうか。マイクロソフトはクラウド以前、つまり各家庭が計算能力を所有するフェーズでの覇者ですね。

岡嶋 パーソナルコンピュータが出てきたころに、マイクロソフトは創業しています。大企業を抑えていたIBMやDECと戦うため、中小企業や家庭にパソコンを普及させようとしました。そのために、個人向けのコンピュータに特化し、パソコンメーカーと組んで設計製造まで食い込み、自社製品を製造販売してきたわけですね。

―― となるとクラウド化の流れは、本質的にマイクロソフトの企業理念と矛盾する。

岡嶋 クラウド化を推し進めると、いまもっている顧客を失うリスクが生じます。ウェブブラウザー上で動くクラウドは、パソコンに入っているOSやアプリケーションソフトに縛られないからです。ですので、同社の方針は迷走している。矛盾を抱え、どうつじつまを合わせようかなと悩んでいるのがマイクロソフトだと思います。

 たとえば、Windows Azureという製品は「クラウドを作るためのWindows」といえますが、電気にたとえて理解するなら、「発電所から電気を貰うのは仕方ないけれど、家庭のコンセントにあたる部分はいままで通りWindowsの役目にして欲しいなあ」という発想でつくられています。クラウドっぽいけれども、換骨奪胎してなんとなくパックス・マイクロソフトに取り込んでしまう。マイクロソフトの真骨頂といえますね。

 ただ、これはこれで多くの納得を得られる可能性も高いです。データをお金として見立てますと、企業も個人も、持ち金全部を銀行(クラウド)に預けるのは現段階ではちょっと不安で、タンス預金(パソコン)もまだまだいいところがあると考えている。なので、世の中の大勢には沿っていると思います。

―― グーグルはいかがでしょう。

岡嶋 グーグルの考えは、「個人の手元に計算能力なんか残しておきたくない」です。

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