• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

“忙しい病”は相手に失礼です

観劇後、新幹線に飛び乗る「充実感」は本物か

2011年6月24日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

(ご相談をメールでお寄せください。アドレスはこちら

 ご相談

 ずっと忙しく働いてきたので結婚もせず、友達と呼べる人もいません。ふと、こんな人生でいいのだろうかと思ったりします。特に休日、どこかに行きたい時に強く感じます。遙さんはどうですか(30代女性)

 遙から

 結婚してよかったことは「どこかに行く時、もう誰かを誘わなくても済むようになった。夫がいるから」という意見を聞いた時、私は深く合点がいったことがある。

 長い独身生活。もうどこにでも一人で平気だが、「日曜なら誰か行くだろう」と2枚とった観劇チケット。これが立ち見ですら手に入らない人気チケットだった。

 「もしとれたら連絡をくれ」と、かねてより頼まれていた人に連絡した。だが3日経っても返事がない。再度連絡しても返事がない。そうこうしているうちに公演前日になってしまい、「返事がないので引き揚げます」とメールした。

 すると「申し訳ない」とようやく返事がきた。そこから私はなんと、開演まで25人に連絡をすることになる。

 まず、信じがたいことだが圧倒的に多いのが、「返事がない」タイプ。

 携帯メールではその公演が明日に迫っていることを当然告げた。だが、4割の人たちは数時間経っても返事がない。そこでメール後に直接電話をする。すると電話には出るのだ。そして、行けない理由や近況などに話が及び、互いに止まらず延々と喋ることになる。

 結果、時間を見てまた焦る最悪のパターンになっていった。

 基本的に働いている人が多いので日曜にしたのだが、行けない理由の多様さには感心もする。「子供を連れて故郷に帰ってきていて…」とか、「日曜農園をやっていて収穫なの」とか、「体調を崩していて寝込んでいるの」とか。

 あるいは、「出張で」とか「人と会うアポが入っていて」とか仕事組も。

 専業主婦なら空いているはず、と、主婦友に声をかけた。

 「日曜は子供の運動会」と、主婦らしい返事に苦笑いした。

 驚くのは、もう公演が終わり翌日になって「行きます!」というメールをくれる人。

 一週間後に「行けませんでした」と返事をくれる人。

 発信する側の「明日に迫っている」焦りに、他人というのはこれほどまでに無関心なのか、と、再認識した。

 結果、25人に連絡してタイムアウト。プレミアのついたチケットはゴミになった。

 一人で何かをするのは平気だが、誰かを誘い続ける行為というのは過酷な作業だった。

 次回の観劇日、「今回はダメだけど、絶対次は誘って」と頼まれて、また2枚チケットをとり誘う。すると、「行けるけど直後に食事会のアポが入っていて」という返事。

 観劇よりダッシュで飛び出さねばならない心理状態でいることのほうがよほどストレスだと判断し、ご辞退いただいた。

 ある友人は「行きます」と返事。待ち合わせ等決めた後になって、「観劇後、新幹線で名古屋に行きます」の返事。

 「それでは嫌です」と私。

 私はそれらをひっくるめて“忙しい病”と名付けたい。

「遙なるコンシェルジュ「男の悩み 女の嘆き」」のバックナンバー

一覧

「“忙しい病”は相手に失礼です」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

定年後の社会との断絶はシニアの心身の健康を急速に衰えさせる要因となっている。

檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師