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原発3社、震災後の意外な健闘

  • 阿部 貴浩,戸川 尚樹

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2011年6月27日(月)

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東芝、三菱重工業、日立製作所の原子力発電事業が意外にも健闘している。既存原発の耐震補強などで、短期的には受注が上振れするためだ。ただ、新設案件への逆風は強い。安全性のアピールと海外営業に懸命だ。

 「アフターサービス事業の強化で受注増加を狙いたい」と三菱重工業の正森滋郎 原子力事業本部長は力を込める。関西電力で1000億円、九州電力で500億円。東京電力福島第1原子力発電所の深刻な事故を受け、電力各社は原発の安全性確保へ多額の資金を投じる方針だ。津波対策や非常用発電機の設置、海水ポンプの増設など実施すべき案件は多岐にわたる。

 三菱重工は2012年3月期に原発事業の受注額として2000億円を見込む。しかし、震災以降は原発を取り巻く環境が一変。関電などが実施する既存炉の安全対策工事は最大2000億円規模と見られ、関電や九電に原発を一手に納める三菱重工としては、土木工事などを除き、全体の半分程度の受注を狙う。今期の受注額は1000億円程度上積みして3000億円超を目指す考えだ。

 東芝と日立製作所も状況は似通っている。「世間で想定されるほど、足元の状況が悪いわけではない」と東芝の幹部は話す。東芝の原子力事業のうち新規案件の「建設」と、「サービス・燃料」の売上構成比は、直近の値でおよそ3対7と見られる。日立の場合は5対5だ。

 30年、40年と長期間運転される原発の場合、メーカーの収益源は工事ではなくメンテナンスだ。実はアフターサービスは新規案件に比べて利益率も高い。三菱重工は前期のアフターサービスの比率が受注額の6割強だった。今期は5割程度を見込むが、耐震補強などの需要を取り込み3000億円を受注できれば、サービスの比率は7割近くに上がる可能性がある。福島の事故で逆風が強まっている原発業界だが、短期で見れば売上高、利益とも意外にも押し上げに働く傾向にある。

「福島」で国内案件に逆風強まる

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 ただ、長期で見れば、やはり福島の事故は深刻な影を落とす。新規案件の遅延や凍結が広がれば、将来の受注計画は下振れが避けられない。実際、4000億円を目指していた三菱重工の2013年3月期の受注額は、新規案件の遅延によって1000億円程度、目減りしそうだ。この減少分を安全対策などアフターサービスの受注で補い4000億円の確保を目指している。

 震災前に「2016年3月期までに39基受注、売上高1兆円」との目標を掲げていた東芝。佐々木則夫社長は「数年シフトする可能性がある」と目標達成時期がずれ込む認識を示す。米ウエスチングハウス(WH)を傘下に持ち、グローバルに事業を展開する東芝でも、日本から広がる反原発の潮流は無視できない大きなものになっている。

 厳しいのは日立だ。ほぼ国内市場に依存している収益構造のため、中期的な受注の減少を覚悟しているようだ。2011年3月期に1800億円だった原発事業の売上高は2013年3月期に3割弱減り1300億円程度になると予想する。

 これから国内の新規案件に、かつてない逆風が吹くのは確実。東京電力が2017年に運転を予定していた東通原子力発電所1号機は日立と東芝が原子炉やタービンを共同受注した案件だ。今年1月に着工したものの、現在建設作業を見合わせている。この建設を継続するか中止するかについては「未定」(東電広報)という。

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