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最終回だから語っておきたい「グローバル化の痛み」

英語は1つの道具でしかない

  • 河合 江理子

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2011年6月28日(火)

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 日本からスイスに戻って3週間ほど経った。今でもスイスにいる友人たちからは「日本での生活大変だったでしょう」という励ましの言葉をもらう。東京は被災地から離れていると説明しても困難な生活を強いられている考える人が多いのに驚かされる。日本を応援する募金運動やチャリティーコンサートなどの開催が続いている。

 前回には大変多くのコメントをいただいた。多くの読者の方が実際の経験を書いてくださりとても参考になった。中でも「私も同じようなことで悩んでいるので、この記事を読んでいろんな意味で力づけられました」というコメントをいただいてとてもうれしかった。国際化によって外国語と母語の間で苦労する人は増えており、うまく対処することは大切になっていると実感した。言語学の研究で「人間は数カ国語を使う能力がある」と言われているものの、学校や家庭でのサポートがなければ移民の子供や帰国子女の間でセミリンガルなどの言語問題が発生する可能性がある。小学校での英語教育の是非を問うよりも方法論を考えるべきだと思う。言語学や脳科学の専門家の意見をとりいれて、最も効果的なカリキュラムをつくりあげるべきではないだろうか。

 5月30日のニューヨーク・タイムズに「The Bilingual Advantage」と題した記事の中でバイリンガルと母語しか話さない人との比較研究の結果が出ていた。母語だけを話す人に比べるとバイリンガルのグループはアルツハイマーの病状を5,6年遅らせるというリサーチの結果があるそうだ。脳活動の計測が容易になり、このように言語学や心理学と脳科学の分野、文科系、理科系がクロスオーバーし、今までの常識を覆すような研究が進められていくだろう。

 「英語公用語化って何」をテーマに2010年9月7日から書き始めて、今回で25回目、この連載の最終回になる。コラムを書き始めた頃には、楽天やユニクロが発表した社内英語公用語が話題になっていたが、公言していなくても英語能力を社員に求めている企業は数多い。 最近では海外での戦力を養成するために短期海外赴任制度などを設けている企業はめずらしくない。

急速にグローバル化図る日本板硝子

 国内市場の成長が伸び悩む中で海外に活路を求める企業がますます増えてきている。今回インタビューしたのは、ジョージ・オルコットさん。日本板硝子の社外取締役を勤めている。

 同社はイギリスの大手ガラスメーカーを買収する以前は、国内での事業展開が中心のガラスメーカーであった。2006年に英国の大手ガラスメーカーピルキントン社を買収し、一気にグローバル企業に変身した。日本の企業も更なる発展を求めていろいろな形で海外進出をはかり世界的競争の中で生き残りをはかることになるだろう。オルコットさんに日本企業のグローバル化についてご意見を伺った。

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 オルコットさんは昨年来日して東京大学先端化学技術研究センター特任教授として教えている。その傍ら、日本板硝子とNKSJホールディングス(損保ジャパン、日本興亜損保の持ち株会社)で社外取締役、JR東海と昭和女子大学の顧問、イギリス日本協会副会長などの活動をしている。

 彼は、INSEAD(欧州経営大学院)の先輩で、80年代の後半、バブルの真っ最中にロンドンのシティーでSG Warburgというイギリスの投資銀行で勤務していた時の同僚であった。その後、彼は東京で働き、UBSアセットマナジメント社長等を務めた後、2001年に金融界を去り英国ケンブリッジ大学経営大学院の博士課程で組織論、コーポレートガバナンスを学び2005年に博士号を取得した。研究成果を「外資が変える日本的経営」にまとめた。

 日本とイギリスで外資系企業の経営を経験し、日本語が堪能で日本企業を理解する彼のような外国人は日本企業、外資系企業両方から必要とされる人材に違いない。異企業文化の融合、日本的経営の長所、短所をケンブリッジ大学で研究し、実業界、アカデミックのバックグラウンドを持った人材がグローバル化を志す日本の企業のアドバイザーになるのは当然に思える。またこれから外国企業やファンドが日本企業に投資する場合、彼のような欧米系の経営、コーポレートガバナンスの専門家に株主の権利を代表してもらう例が増えると予測される。

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