• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

消費増税が招く「住宅空洞化」

  • 伊藤 正倫

バックナンバー

2011年6月29日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

被災地の復興需要、省エネ住宅ブームを追い風と期待する住宅産業。しかし、消費税の増税論議が高まり、一転して経営は視界不良に陥った。駆け込み需要後の反動は大きく、住宅産業の空洞化が進む可能性すらある。

 「阪神・淡路大震災後の被災地では各営業マンが月間2棟の住宅を売った。今年度こそ増収を達成する」。関西の中堅住宅メーカー、エス・バイ・エルの荒川俊治社長は力を込める。

 東日本大震災からの復興需要が盛り上がり始めた東北。住宅メーカー各社は避難生活者用の仮設住宅とは別に、低価格・短納期の被災地向け販売用住宅を投入し始めた。エス・バイ・エルは価格を約1200万円に抑えた2階建て住宅などを投入、仙台市にある販売代理店に営業マンをまず5人派遣した。

 少子高齢化と持ち家志向の低下で、エス・バイ・エルは2010年度の連結売上高が約400億円となり、過去10年間で6割以上も減った。荒川社長は営業マンを徹底的に鍛えて縮小均衡に抗ってきたが、それでも昨年度は営業マン1人が3カ月に1棟売るペースだった。

 これを東北に限っては、月間1.5~2棟にするという。津波被災地の再建計画が進まず、地震直後から建て替えが始まった阪神大震災とは事情が若干異なるが、営業効率は大きく高まる。

 ミサワホームでも、「東北での住宅受注が足元で3~4割増えている」(経営企画部の中村孝・部長)と明かす。

 さらに、原子力発電所の事故で太陽光発電システムなどを備えた省エネ住宅への関心が全国的に高まっていることも住宅業界には追い風だ。「震災以降、省エネ住宅への問い合わせは目に見えて増えた」(積水化学工業)という。

 積水化学は4月、住宅内の消費電力を用途ごと、あるいは部屋ごとにパソコンなどで確認できるシステムを発売。省エネ住宅の販売に弾みをつける考えだ。例えばテレビを省エネモードにするなど、居住者が節電の工夫をしやすくする。電力会社への売電量が増えれば、太陽光発電パネルなどの初期費用を回収する期間も縮まる。

 そもそも、住宅メーカーにとって今年は正念場との見方が多かった。省エネ住宅の新築・改修時に商品に交換できる「住宅エコポイント制度」が7月に、当初10年間の金利が1%引き下げられる住宅ローン「フラット35S」が年内までに打ち切られるからだ。

 図らずも、震災が政策効果に代わって業界を下支えする。そんな構図にも見えるが、各社の経営陣に“余裕”は微塵も感じられない。むしろ震災以上の激震に身構えているのだ。

コメント0

「時事深層」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

人々が働きたいという会社になるには 「働きやすさ」と「働きがい」、この2つが必要だ。

川野 幸夫 ヤオコー会長