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アトラクション事故に見る「安全軽視の代償」

死亡事故後6年、今なお客足は戻らず

  • 佐藤 央明

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2011年7月4日(月)

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 非日常を楽しむための遊具が突然、来場客に刃を剥く。

 今年1月、東京ドームシティアトラクションズ(東京都文京区)の遊具から男性が転落、搬送先の病院で死亡した。係員が安全性の確認を怠ったことが悲劇につながった。

 事故が引き金となって破産に至った例もある。2007年にエキスポランド(大阪府吹田市)で起きたジェットコースターでの死亡事故。約3カ月後に運営を再開したが客足が伸びず、閉園を余儀なくされた。

 震災以降、企業を悩ませる「安全対策にいくらコストをかけるべきなのか」という難題。自然災害や人災、情報漏洩、政情不安、製品事故……。企業を取り巻くリスクは枚挙に暇がない。様々な事例は、『日経ビジネス』2011年7月4日特集「安全の値段」で詳しく記載しているが、ここでは、アミューズメントパークでの事故後の対応について紹介したい。

安全ベルト未装着が常態化

 2005年4月18日、セガが運営する東京・台場の「東京ジョイポリス」。スカイダイビングのシミュレーションを楽しめるアトラクション「ビバ!スカイダイビング」で悲劇は起きた。安全ベルトを未装着のまま遊具をスタートさせたことで、足の不自由な男性が数メートル下の地面に転落、死亡した。

 セガは直ちに「東京ジョイポリス事故対策委員会」を設置。社内および法律事務所による調査チームを組成し、原因究明を進めた。

 調査の結果、安全ベルトの未装着が常態化していたことが判明する。

 建築基準法に基づく当初の仕様書では、肩のハーネスと腰の安全ベルトの両方を装着する必要があったが、いつの間にか運営マニュアルが変わり、事故当時は「担当社員の判断で腰の安全ベルト装着は不要」となっていた。また、亡くなった男性は足が不自由だったことを現場のスタッフは把握していたが、可否を判断すべき担当社員が認識しないまま運行。これらの原因が重なり、事故が引き起こされてしまった。

 原因の究明を受け、同社はハード、ソフトの両面で手を打ち始める。

東京ジョイポリス館長の速水和彦氏(撮影:竹井俊晴)
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 ハード面ではアトラクションはもちろん、手すりから段差、わずかな隙間まで、館内の隅々の造作物を見直した。「わずかでもリスクが感じられるものには、やりすぎるくらい対応した」と同館長の速水和彦氏は話す。例えば、子供がふざけて登れるような穴はとにかく塞ぐ、手が届きそうな照明にはすべて網を張る、つまずいてしまいそうな出っ張りは削る、といった作業を進めていった。

 見た目よりもとにかく安全を、と館内すべての危険箇所を検証、補修し、危険と判断されたアトラクションを撤去した結果、かかったハード面での費用は約7000万円。この額についてはもともと上限を設定していたものではなく、「思いつくことをすべてやった結果がこの金額。さらに危険と判断される箇所があれば、それ以上でもかける心づもりはあった」と速水館長は話す。

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