雨や外気に、我が子を極力触れさせたくない??。長引く原発事故は、親の消費行動にも影響を及ぼす。切実な彼らの心理が、思わぬヒット商品を生んでいる。
一向に収束の気配が見えない東京電力、福島第1原子力発電所の事故。放射性物質は体内に蓄積し、その影響が出るのは数年後とも言われる。東北地方、首都圏を中心に、子供を持つ親の悩みは切実だ。切迫した心理が、親たちを例年とは違う消費行動へと駆り立てているようだ。
ベビー用品大手の赤ちゃん本舗(大阪市)では梅雨に入る前から、子供用のレインコートや傘の売り上げが伸びている。通常なら入梅後になってようやく売れ始めるが、子供を雨に濡らしたくないという思いから今年は需要が前倒しになった。
同様の理由で伸びているのが室内用の洗濯物干しだ。「洗濯物を雨に濡らしたくない、と感じる人が増えているようだ」(カインズ広報)といい、例年の梅雨の時期よりも2~3割増しで商品が売れている。
自宅エリアの放射線量を気にする親も多いようだ。
ドン・キホーテで売れているのは、高性能の空気清浄機だ。これは原発事故後、部屋の換気を最小限にとどめる消費者が増えているため。店頭では「放射能対策に」などとうたっていないにもかかわらず、原発事故後に売れ行きが伸びている。
「シートの高さ」が親心に響く
イトーヨーカ堂の平店(福島県いわき市)では、5月下旬から6月初めにかけて、子供用の長袖の注文が急増。外で子供を遊ばせる際、なるべく外気に触れさせたくないという親が、長袖を買い求めたためだ。
同店では長袖の衣類は既に売り切っていたため、急遽、新たな取引先などを探して商品を確保。気温が上昇した6月半ば以降になっても年配客を中心に、「薄手の子供用長袖が欲しい」という声があるという。
読者コメント<1960年代、冷戦下に置いて列強各国は核実験を何百回と無く行った。その結果、それ以降、世界の環境放射線量は一万倍以上になったが、その後世界で人口は減ったのか?>に対するコメントです。原子力産業の味方であるICRPの考え方に沿った試算でも、被ばく(原発産業の正常運営も含む)によってガンで死亡した人数は全世界で1945年以降117万人と推定されています。(ECRRの考え方に沿った推定では6160万人死亡(含む子供160万人・胎児190万人)です)。世界の人口を母数にした時のパーセントの数字は小さいかもしれませんが、各個人の人生を考えると決して小さい数字と思えませんが、如何???(2011/07/12)