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バンドの世界観を演出する「ファン呼称」という手法

ゆずのファンは「ゆずっこ」、KAT-TUNは「ハイフン」

2011年7月12日(火)

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 米国の人気ミュージシャン、レディー・ガガが6月下旬に来日して大きな話題になりました。東日本大震災の被災地支援イベントでパフォーマンスを行うための来日でした。

 一連の報道で特に印象深かったのが、成田空港への到着シーンだったのではないでしょうか。髪の毛、コート、ハイヒールの色をグリーンに統一した、彼女らしい独創的なファッションが話題になりました。左手には、被災者救済のために彼女が販売したリストバンドを着けていました。

 ところで。ネットの動画サイトでこのシーンをよく見返すと、彼女が、リストバンドをはめている左手で「何かをつかむようなアクション」をしていることに気づきます。お父さん世代ならば、ピンクレディーが「ウォンテッド!」と叫ぶ時の手の様子を思い出すと、分かりやすいかもしれません。

 この何かをつかむような仕草は「モンスター」ポーズなのだそう。彼女は、自分自身のファンを「モンスター」と呼んでいるのです。そういえば彼女は2010年に来日した際にも、マジックで「アイ ラブ スモール モンスター」と書き込んだエルメスのバッグを持って登場して、やはり同じようなポーズを取っていました。

 レディー・ガガのように、ファンを独自の呼称で呼んでいるアーティストは少なくありません。一方、ファン自身が独自の名称を名乗ることで、好きなアーティストとの連帯感を示す場合もあります。そして同様の動きが、ソロアーティストのみならず、バンドとバンドのファンでも見られます。

 そこで今回の「社会を映し出すコトバたち」は、新旧のバンドのファンがどのような呼び名、「ファン呼称」で呼ばれてきたのか、もしくは、自らを呼んできたのか? さらにファン呼称以外にどんな「独自呼称」を生み出してきたのかを探ってみます。そしてそれらの「独自呼称」がどのようにバンドの世界観を演出してきたのかも、分析してみたいと思います。

聖飢魔IIの「信者」、TM NETWORKの「FANKS」

 ファンを表す呼称は、芸能分野ではもともと一般的に存在するものです。よく知られるところでは女優・吉永小百合のファンである「サユリスト」がありました。似た命名には女優・栗原小巻のファンである「コマキスト」もありました。いずれも1960年代に登場した表現です。

 また1990年代には、歌手・安室奈美恵のファンを表す「アムラー」など、○○ラーという語形も登場しました。元ネタは、シャネル好きを表す「シャネラー」という言葉でした。この系譜にある呼称には「シノラー」(篠原ともえ)、「カハラー」(華原朋美)などの事例があります。また近年では「テルマー」(青山テルマ)、「ミリヤー」(加藤ミリヤ)などの新表現が登場しています。

 これと同様のファン呼称が、バンドの世界にもあります。

 筆者が知る中で最も古い事例は、ロックバンドTHE ALFEE(ジ・アルフィー)のファンを表す「アル中」です。これは、アルフィー中毒を略した言葉。一瞬、アルコール中毒と見間違えてしまう語形であるところがポイントです。

 この種のファン呼称を、バンド自身が「意識的かつ積極的に」発信するようになったのは、おそらく1980年代以降のこと。例えばヘヴィメタルバンドの聖飢魔II(せいきまつ)は、自身のファンのことを「信者」と呼びました。これは、「音楽を媒介にして悪魔教を布教する」という同バンドのコンセプトに基づいた命名です(詳細は後述します)。

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「バンドの世界観を演出する「ファン呼称」という手法」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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