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原発停止で電力は足りるか

  • 市村 孝二巳,山根 小雪,白石 武志,日野 なおみ

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2011年7月19日(火)

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「埋蔵電力」引き出せぬ市場

 PPSからの調達が期待薄だとすれば、ほかに電力不足を解決する妙手はないのか。経産省と電力業界に対する不信に駆られた菅直人首相が飛びついたのが「埋蔵電力」。企業などが持つ自家発電設備が生み出す電力である。

 電力調査統計によると、2011年3月末の自家発電所の発電能力は全国で5383万キロワット。2010年9月末は6035万キロワットとしていたが、経産省は最近、その数字を630万キロワットも大幅に下方修正した。それでも100万キロワットの原発に換算すればちょうど54基分で、7月末で5680万キロワットという東電の供給力にも匹敵する。東電管内だけでも1656万キロワットあり、これをそっくり上乗せできればいいのだが、そうもいかない。

 自社の電力需要を補い、停電に備えるための自家発電設備だが、最近の燃料費高騰で電力会社からの方が電力が安く手に入る状況にあり、稼働率は半分程度にとどまる。経産省は「180万キロワットしか使えない」と報告し、菅首相に突き返されたというが、どれだけ稼働率を高められるかが問題だ。

 九州電力玄海原発の再稼働が遠のいた九州では、安川電機が6月末までに北九州市内のロボット工場などに最大消費電力の5%を賄える自家発電設備を導入した。トヨタ自動車九州は九電から節電要請があった場合、主力の宮田工場(福岡県宮若市)で自家発電を消費電力の最大5割まで引き上げることを検討する。こうした企業努力がどこまで広がるかがカギになる。

 東電管内では節電が効果を発揮し、藤本孝・東電副社長は12日の日本経済新聞のインタビューで「夏場は乗り切れるメドがつきつつある」との見通しを明らかにした。「電力が足りないから原発が必要というのは脅し」という橋下知事の発言は正しいのかどうか。電力不足の焦点は徐々に、原発依存度が高い関西へと移りつつある。

 電力危機の直接の原因は福島第1原発事故と原発の順次運転停止にある。だが、もう1つの大きな失敗は、電力自由化によって多様な電力会社が競争する市場の構築を怠り、地域独占の電力会社に安定供給を委ねてしまったことだ。余剰電力を自由に売買できれば自家発電やPPSの潜在能力をもっと引き出せるはず。1つの電力会社が供給能力を失っても、他から電力を調達できるように市場を再構築することが必要不可欠だ。

日経ビジネス 2011年7月18日号8ページより

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