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ベンチャーに対する若者の夢が萎んだ

ライブドア事件の“爪跡”を改めて振り返る(下)

2011年7月21日(木)

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 2004年のプロ野球参入表明、2005年のニッポン放送株買収騒動、そして同年9月に行われた衆議院選挙への出馬──。

 次々とサプライズを繰り出して世間の関心を集め、自ら経営する企業の時価総額を8000億円超にまで膨らませて時代の寵児となった堀江貴文・元ライブドア社長。

 その転落は突然だった。衆院選から4カ月後の2006年1月、東京地方検察庁がライブドア本社を捜索。それから1カ月も経たないうちに証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載、偽計・風説の流布)容疑で逮捕・起訴された。

 それから5年余り。2011年4月には最高裁判所が堀江元社長の上告を棄却し、懲役2年6月の実刑判決が確定した。6月20日には収監のために自宅から東京高等検察庁へ出頭するまでの様子が動画サイトで生中継されるなど、再び注目を集めた。そんな堀江元社長を今も支持する人は少なくない。

 その是非はともかくとして、ライブドア事件が当時、世間に大きな衝撃を与え、今なおこの国の経済社会にさまざまな形で影を落としていることは否めないだろう。ならば、堀江元社長の収監を機に、ライブドア事件と依然として残るその“爪跡”を冷静に振り返り、教訓をくみ取ることは有意義であるはずだ。

 そこで企業経営やM&A(合併・買収)、ファイナンスなどに詳しい3人の専門家に改めてライブドア事件に対する見解を聞いた。最後に登場するのは、ボストン コンサルティング グループの水越豊・日本代表。同氏は、ライブドア事件をきっかけにして、若者のベンチャー志向が萎むなど、日本の再生に必要な変革が停滞してしまったと指摘。事態を打開するために考えなければいけない論点を提示する。

(取材構成は、中野目 純一=日経ビジネスオンライン記者)

 「ライブドア事件が起きて、この国の何が変わったのか」──。

 この問いを考えるに当たって、まずは事件が起きる前の日本の政治や経済の流れを振り返っておく必要があるでしょう。

 当時の日本は、1990年代初頭にバブルが崩壊した後、経済の低迷が続き、「失われた10年」や「失われた15年」と呼ばれる状況にありました。

 そして、停滞から抜け出すために、経済合理性を追求する。あるいはベンチャーや新しいビジネスモデルがもっと出てくるようにする。それが日本経済の競争力を高めることにつながる。こうした主張が声高に叫ばれていました。

 それを受けて、新興企業向けの株式市場としてジャスダックや東証マザーズが開設され、金融機関も新興企業への出資を強化したりしました。こうした環境整備によって、日本でもベンチャーが続々と生まれるようになるという期待が高まりました。

ライブドア事件で日本のベンチャーのメッキがはがれた

 背景には、「いろいろなものを変えていかなければいけない」という潮流がありました。ところが、ライブドアに代表されるように、当時の日本のベンチャーにはやや実体と離れた評価を受けていたところがあって、ライブドア事件でそのメッキがはがれた、という面もあります。

 「やはり拝金主義で、儲けた者勝ちだったのか」

 モラルを伴わない経済合理主義とでも呼ぶべきものが、あの事件で表面化しました。問題は、それによって「いろいろなものを変えていかなければいけない」という潮流までが止まってしまったことです。少なくとも、日本の経済システムや企業の変革のスピードが格段に落ちたことは否めません。

ライブドア事件で問われた罪の概要

(1)有価証券報告書の虚偽記載(決算の粉飾)

  1. ライブドアが実質支配する投資事業組合(ファンド)が、現金で買収しておいた2社(クラサワコミュニケーションズとウェッブキャッシング・ドットコム)と交換にライブドア株を取得。その株売却でファンドが得た約37億6000万円の利益をライブドアが違法に収益計上した
  2. 実質支配するファンドで買収済みのロイヤル信販とキューズ・ネットの2社に対して、架空売り上げ約15億8000万円を計上した

(2)偽計および風説の流布

  1. 子会社のライブドアマーケティングがマネーライフを株式交換で買収した際に、株式交換比率に関して虚偽の公表をした

  2. 実際は赤字だったライブドアマーケティングの業績を黒字と偽って公表した

(注)編集部が作成

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