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失言で辞任、松本前復興大臣を惜しむ声

「せめて環境大臣でいてほしかった」

2011年7月21日(木)

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 東日本大震災の被災地への失言問題で7月5日に辞任した松本龍・前復興大臣。14日になって、奇異な言動の一部は「疲労が重なった結果、気分障害による軽い躁状態が関係した可能性が高い」と医師団が発表したが、世間の信頼を取り戻すにはもう少し時間がかかりそうだ。

 一方で、「辞任するならせめて環境大臣でいてほしかった」と惜しむ声も挙がっている。

 「松本氏は国際的にも評判がよかった。辞任は日本の環境外交にとって残念だ」「丁寧な仕事ぶりだった。一度背負ったらどんな結末でも引き受け、言い訳しない人。惜しい」という声だ。松本氏は、昨年9月から今年6月まで環境大臣(防災大臣も兼任)を務め、環境の分野では市民やNGO(非政府組織)、自治体や企業などからも評価される大臣だった。

 その最大の成果は、昨年10月に名古屋市で開かれたCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)の成功である。

COP10の全47議題が採択され、木槌を振り上げる松本龍前大臣

 COP10では、薬や食品の原料になる遺伝資源の利用ルールを巡って、先進国と途上国が激しく対立し、合意を得るのが絶望視されていた。しかし、松本氏は議長国・日本の代表、すなわち世界の議長として、地域も人種も利害も全く異なる193カ国の合意を取り付け、最終日にすべての議題を採択するという奇跡の交渉劇を繰り広げた。こうしてCOP10では、「名古屋議定書」と「愛知目標」という日本の都市名を冠した2つの国際ルールが誕生した。

 昨年11~12月にメキシコで開かれたCOP16(国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議)でも、力量をみせた。こちらは地球温暖化対策に関する国際ルールを議論する締約国会議である。COP16では、日本は「(温暖化ガスの削減義務を定めた)京都議定書の約束期間を延長することに反対」を表明し、世界から孤立しそうになっていた。欧州連合(EU)などほかの主要な先進国は約束期間の延長に賛成していたからだ。

 「日本は延長に賛成できない。しかし、世界から孤立すれば日本の国益を損なう」と判断した松本氏は、経済産業省と環境省、外務省を一枚岩にまとめ上げ、日本の立場を国際社会に理解してもらえるよう交渉し、延長の議論を今年のCOP17まで持ち越させるという成果を上げた。

丁寧な交渉で193カ国の信頼得る

 2つのCOPの成功は、「松本氏の手腕と人柄のおかげ」とみる人が多い。

 例えばCOP10では、交渉が決裂しそうな中、松本議長は先進国も途上国も受け入れられる「議長提案」という文書を作って解決の道を探った。通常COPでは各国の交渉官たちが議論を積み重ね、最終合意文書を作っていく。合意が難しい最終局面の話し合いは、閣僚級がひざを詰めて行う。その際、密室で行われたり、駆け引きがなされがちだ。

 しかし、松本氏はそうした手法を嫌い、透明性を是とした。すべての協議をどの国も参加できるようオープンにし、その意見を吸い上げる形でトップダウンの「議長提案」文書を最終日に作った。そして、1国ずつ個別に手渡して説得し、合意に向けて最後の1秒まで努力したのである。その時の真摯な態度に各国の閣僚が心を動かされ、歩み寄ったというのが、COP10成功の真実である。

 このときの気持ちを松本氏は、『環境外交の舞台裏―大臣が語るCOP10の真実』でこう語っている。

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