• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

世界一、東京スカイツリーの制振技術

伝統建築「五重塔」にならい、地震の揺れを50%低減

2011年7月25日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 7月24日、岩手県、宮城県、福島県を除き、地上波アナログ放送が終了し、デジタル放送に完全移行した。そんな中、2012年5月22日の開業が正式発表された東京スカイツリー。電波の送信が開始されれば、都心部では、林立する200メートル級の超高層ビルによる受信障害が低減されるほか、携帯端末向けのデジタル放送「ワンセグ」のエリア拡大も期待できる。

 また、東京スカイツリーは、災害時にも放送を継続し、被災者を支えるという大きな使命を担っている。そのため、高い耐震・耐風性に加え、世界初の制振システム「心柱制振」を装備している。それにより、地震による揺れを最大50%低減することができる。

2012年5月22日の開業予定の東京スカイツリー(2011年6月10日現在)

 「地震と台風の国、日本において、電波塔である東京スカイツリーには、災害時にも放送を継続し、被災者を支えるという大きな使命がある。それゆえ、東京スカイツリーは、地震と暴風に対する最高水準の安全性能を備えている」

 こう語るのは、東京スカイツリーの構造設計を担当した日建設計・構造設計部門の小西厚夫氏だ。

 実際、東日本大震災の際、東京スカイツリーの構造体は無傷、約800人の作業員も全員無事だった。そのちょうど1週間後の3月18日、東京スカイツリーは、目標としていた高さ634メートルに到達した。これにより、これまで日本一の高さを誇っていた333メートルの東京タワーの記録を一気に300メートルも更新。自立式電波塔としては世界一の高さとなった。

 東京スカイツリーはその名の通り、「空に向かって伸びる大きな木」をイメージして、デザインされている。

 大きな木は大地にしっかりと根を張り、高くそびえ立つ。同様に、東京スカイツリーも地震や暴風によって傾いたり倒れたりしないよう、地盤にしっかりと“根”を下ろすことで、高い耐震性と耐風性を確保している。

 加えて、“幹”にあたるタワーの部分には、世界初の制振システム「心柱(しんばしら)制振」が導入されており、地震による揺れを最大50%低減することができる。

断面は正三角形から円形へと変化していく

 まず、東京スカイツリー全体の構造を説明しておこう。地面の足元の部分は、4本の鉄骨柱と支柱を組み合わせた「鼎(かなえ)トラス」と呼ばれる3本の足で支えている。つまり地面の高さでは断面が正三角形をしており、一辺の長さは約68メートルだ。

 そして、地上から上部に向かうにつれ、断面が徐々に正三角形から円形へと変化していく。そして、高さ350メートルのところに第1展望台が、高さ450メートルのところに第2展望台が設置されている。第2展望台の上には、放送用アンテナ取り付け部のゲイン塔が備え付けられている。

 東京スカイツリーのタワーの部分は、中心部を鉄筋コンクリートでできた円筒形の「心柱」が貫いており、その周辺を、鉄骨製の「内塔」と「中塔」が取り囲んでいる。中塔にはエレベーターなどが設けられている。

 そして、その外側を、塔体となるトラス構造の鉄骨が覆っており、それによって、内塔と中塔を支えている。トラス構造にしたのは、タワーを軽量化しつつ、高い強度を維持するためだ。

コメント2

「日本キラピカ大作戦」のバックナンバー

一覧

「世界一、東京スカイツリーの制振技術」の著者

山田 久美

山田 久美(やまだ・くみ)

科学技術ジャーナリスト

早稲田大学教育学部数学科出身。都市銀行システム開発部を経て現職。2005年3月、東京理科大学大学院修了(技術経営修士)。サイエンス&テクノロジー、技術経営関連の記事を中心に執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

富士山を目標にする人はいつか富士山には登れるでしょうが、エベレストには登れない。

澤田 秀雄 エイチ・アイ・エス会長兼社長、ハウステンボス社長