• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

責任の追及よりも具体的な地域再生への道を探るべき

地域活性学会 第3回研究大会からの報告

  • 尾羽沢 信一

バックナンバー

2011年8月3日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 7月16日、17日、地域活性学会の第3回研究大会が獨協大学で開催された。
 本学会は、疲弊する日本の地方の活性化を目的として、2008年に設立され、全国の研究者、地域活性化の実践者など500名が加入している。第1回大会は、「今求められる地域力とは」と題し2009年に法政大学で、第2回大会は、「地域活性と人財育成」と題し2010年に小樽商科大学で開催している。

 今回の大会では、東日本大震災を受け、今後の地域活性化の考え方そのものに大きな変更を加えざるを得ないとの認識の下、例年の一般研究発表セッション(59発表)に加えて、震災後の地域再生をテーマにした基調講演、シンポジウムと震災特別セッション(12発表)を行った。

 大会には全国から会員など200名が参加し、基調講演、シンポジウム、震災特別セッション、一般研究発表とも、熱のこもった議論が展開された。

 筆者は学会事務局長として大会の運営にあたったが、各報告を聞き多くの示唆を得た。本稿では学会での各報告に触発された筆者の見解を述べたい。

歴史は切断されたのか

 マスコミや一部の識者が言うように、震災後時代は変わってしまったのだろうか。震災後の報道では歴史の切断とゼロからの再生が強調されすぎている。本学会会長の清成忠男(元法政大学総長)が基調講演で発言した通り、第二次世界大戦で失われた日本の国富(ストック)は40%、それに比べて今回の震災によるダメージは40兆円ほどで国富の0.5%に過ぎないのであって、あまり感情的な議論は思考停止をもたらす。

清成会長の基調講演

 むしろ着目すべきなのは、衰退型の一次産業が中心であった東北の従来の産業構造、急速な高齢化と人口減少など人口構造の問題点であろう。東北の再生のためには東北圏の独自性と競争力を創出していく必要があり、そのためには衰退産業である水産業、農業などのビジネス化と食品クラスターとしての再出発、製造業クラスターの確立、それら東北地方の発展を担うプロフェッショナルの育成などが重要である。

被災地の問題と復興の方向

 シンポジウムでは、中林一樹(明治大学特任教授)、関幸子(ローカルファースト研究所代表)、皆川治(農林水産篠原副大臣秘書官)、今瀬政司(市民活動情報センター代表理事)、山崎泰央(石巻専修大学准教授)らが報告・討議を行った。

 皆川は忌引き休暇で石巻市に帰郷中被災し、副大臣からの「情報が遮断される中、地域の情報を送ってもらえれば東京でも役立つ。石巻市を手伝いながら現地情報を送るように」という指示のもと、50日間を石巻市役所で支援活動にあたった。市役所ではチームを作って課題に対応するという意識が欠如しており、国、県、市の平時の役割分担、要請主義の切り替えが遅れ、譲り合いと三すくみの状態が生じていたと報告。今後国、県、市が連携して課題を乗り越えていく仕組みの重要性を指摘した。

 今瀬はNPO代表理事として震災直後から支援活動にあたった。被災地の置かれた現実の多様性、被災者の立場に立って思考することの重要性、震災直後のボランティアの不足、現場レベルでの災害コーディネート機能の不足などを指摘し、既成の概念や仕組みにとらわれない、復興に向けた地域創生が必要と述べた。「新しい公共」やソーシャルビジネスのあいまいさを改善し、ボランティア性・市民活動性とビジネス性の明確化による政策が必要であると主張した。

コメント0

「日本の地域をつくり直す」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

トランプ政権のここまでの動きはスロー。

ジョセフ・ナイ 米ハーバード大学特別功労教授