日本初のクーポン共同購入サービス会社、ピクメディア。その同社が事実上撤退に追い込まれた。市場形成から約1年。早くも業界再編の号砲が鳴った。
2010年4月に日本で初めてクーポン共同購入サービス「Piku」を開始したピクメディアが、同事業から事実上撤退することが明らかになった。今年8月以降、Pikuのブランドは継続するものの、掲載するクーポン情報は同業のシェアリー(東京都港区)が提供する。ピクメディアに在籍する社員17人のうち12人の営業社員の大半はシェアリーに転籍する見込みだ。
海外VC(ベンチャーキャピタル)3社と国内の1社から総額9億円近くの調達に成功し、最盛時には120人を超える社員を抱えるまで成長。ぐるなびと共同事業を手がけるなど、一見順調にも見えた同社だが、同社が先鞭をつけたクーポン共同購入市場には米グルーポンやリクルートなど大手資本が次々に参入。営業力がモノをいう同市場は乱戦になり、ピクメディアは先行者利益を生かし切れず、敗れ去った。
ただ、その内実を見れば、「経営なき経営」の当然の結末でもあったことが分かる。事実、同社はこの半年以内に3回も経営陣が入れ替わっている。
もともとの創業者は飲食店向けに英会話教室を展開していた「English OK」の社長だった森デイブ氏。2011年3月末にはピクメディアに投資した企業の1つ、ジェイ・シード(東京都港区)のジェフリー・チャー氏がバトンを受け取った。さらに6月10日には、もう1つの投資会社、ディーアイティー・パートナーズ(東京都千代田区)から経営陣が送り込まれている。
数十人の年俸が1000万円超
転々と代わった経営陣こそ同社の混乱を示す証拠だが、歯車が狂い始めたのは最近のことではない。
「これはベンチャーのお金の使い方じゃない」。創業間もない段階でピクメディアに在籍していた元社員は、当時の様子を憤慨しながらこう明かした。「English OKからいた外国人社員数十人の給与が軒並み年俸1000万円を超えていた」。潤沢に集めた資本金は、経営陣の人件費に費やされていた。
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