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三菱重工が怒るホントの理由

「日立が飲み込む」という観測の余波

2011年8月5日(金)

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 「極めて遺憾、断固抗議してまいります」──。三菱重工業は8月4日夕方、日本経済新聞が朝刊1面トップで報じた「日立・三菱重工 統合へ」という記事に対し、こうコメントを発表した。

 同社のコメント発表はこの日2度目。午前9時に出した「本日、当社と株式会社日立製作所との統合に関して、一部報道がありましたが、これは当社の発表に基づくものではありません。また、報道された統合について、当社が決定した事実もありませんし、合意する予定もありません」とのコメントに続くものだ。

 同一の記事に対し、2度も否定的なコメントを出すのは極めて異例だ。なぜ、三菱重工はこれほど怒りを露わにしているのか。

「経営統合」と「事業統合」でガラリと変わる意味合い

 その理由は、「経営統合」という表現にありそうだ。単純に売上高だけを見れば、9兆3158億円の日立製作所に対し三菱重工は3分の1の2兆9037億円。日経報道の「新会社の売り上げ規模は12兆円」という説明は、両社が全面的に経営統合した場合の数字で、そうなれば企業規模の大きい日立が三菱重工を飲み込む印象を与える。

 ある関係者は、今回の統合案件に関し「実は両社は3~4年前から重電部門を中心に事業統合を検討してきた経緯がある」と明かす。しかし、これはあくまでタービンや発電機、原発プラントなどを中心とした電力関連事業についての「事業統合」。

 相互の電力関連事業を統合することで、米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンスと対抗し、新興国などでの発電インフラプロジェクトを受注できる態勢を整えるのが狙いだったという。

 「経営統合」ではなく「事業統合」なら、両社の力関係はかなり違ってくる。仮に三菱重工の原動機事業部と日立の電力システム社を統合したとする。三菱重工の原動機事業は同社の稼ぎ頭で、2011年3月期決算の同事業部の売上高は9969億円、営業利益は830億円で売上高営業利益率は8.3%だ。一方の日立の電力システム社は、売上高こそ8132億円と見劣りしないが、営業利益率は2.7%にとどまる。

コメント14件コメント/レビュー

「三菱が怒っている背景」の解説としてよく分かりました。でもきっと、ほかの方もおっしゃっていたように、どうしてあの記事がああいう形で出ちゃったのか、ということを身内として検証することのほうを、多くの人は望んでいるでしょう。それにしてもニポンの大きな組織の人々はプライドが高くてたいへんですね。(「たいへん」というのは、そのプライドがプラスの方向に役だっているように思えない、という意味で・・・)。(2011/08/09)

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「三菱重工が怒るホントの理由」の著者

山根 小雪

山根 小雪(やまね・さゆき)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日経エコロジーを経て、2010年1月から日経ビジネス記者。エネルギーを中心に、自動車や素材など製造業を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「三菱が怒っている背景」の解説としてよく分かりました。でもきっと、ほかの方もおっしゃっていたように、どうしてあの記事がああいう形で出ちゃったのか、ということを身内として検証することのほうを、多くの人は望んでいるでしょう。それにしてもニポンの大きな組織の人々はプライドが高くてたいへんですね。(「たいへん」というのは、そのプライドがプラスの方向に役だっているように思えない、という意味で・・・)。(2011/08/09)

「天下の三菱」と「天下の日立」が一緒になっても面子と面子のぶつかり合いでうまくいかないのでは?それに、いくら日本を代表する大企業といっても、両社とも世界シェアが高い製品群は少なく、所詮「中小企業の寄せ集め」である。(日立は特にそうだが)事業分野の絞込みがまだ足りないように思え、統合などしたら却って力が拡散し、さらに非効率な企業体になるのではないか。それよりもこの超円高を利用した海外企業のM&Aを進め、各々の得意事業分野の世界シェアを高める方策を模索すべきである。(2011/08/08)

次世代DVD戦争が起こったのも、日経が「次世代DVDソニー方式に統一」と1面に飛ばしたからですよね。また同じことをするんですね。(2011/08/08)

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