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インド人の自信「常に我々の時代なのだ」

日本企業は“インド好き”を現地に派遣せよ

2011年8月9日(火)

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2000年の歴史の中でインドはいつも大国だった

 近年、インドが注目を集めるようになったのは、ゴールドマンサックスのジム・オニール氏が有望な新興国をBRICSと名付けたレポートを2001年初頭に発表したのが契機だ。我々、先進国の人間は「インドの時代が来た」と今になって騒いでいる。しかし、当のインド人に言わせれば「昔に戻っただけ!」なのだ。

 イギリスの植民地になる前、インドのGDPは世界の23%であった。元OECDチーフエコノミストの故アンガス・マディソン氏による経済史の調査結果は興味深い。マディソン氏によると、過去2000年の歴史のうち1800年――つまり、その9割――の間、インドと中国のGDPの合計が世界GDPの5割を超えていたという。

 最近の200年間だけ、欧米や日本が統計に割り込んだだけなのだ。この2000年はずっとインド・中国の時代だったのだ。この数字を、インド財界人は広く共有している。国際会議に出席すると、インド財界人や政治家がしばしば、欧米の政財界人を諭すように壇上でこの数字を取り上げる。彼らは「常にインドの時代なのだ」といつも自信満々なのだ。

 インドが自信満々であることには、もう一つ理由がある。欧米をはじめ世界中からモテモテなのである。このグローバル・インディア・ビジネス・ミーティング(GIBM)の主催者で、ダボス会議の初代ディレクターであったフランク・リヒター博士によると、「欧米企業は『中国の一国二制度は今後、中長期に持続可能性が低い』と判断しており、投資先を中国からインドへシフトし始めている」という。

中国に憤慨する欧米企業

 マイクロソフトは、中国市場において同社製品の海賊版が氾濫していることに憤慨している。CEOのスティーブ・バルマー氏は株主総会で「我が社の知的所有権が侵害されている。中国市場で想定していた9割以上の利益が、不正に盗まれている」と声を荒げた。ボーイングも自社が開発した技術を保護したり、健全な受注をしたりすることに苦労している。航空産業は高度技術の塊のような産業。知的所有権保護が確約されない限り、同社が、これまで取ってきた対中長期戦略を、今後とも続けていくとは考えにくい。他にも、GEなどの大手企業が中国市場からの徹底を含め、対中戦略を大きく見直しつつある。

 もちろん、中国に見切りをつけた企業がすべてインドに行くわけではない。だが、インド企業には欧米からの出資・提携の要請が相次いでいる。近代最高の“モテ期”にあると言っても過言ではないだろう。アジアでは韓国が積極的にアプローチしている。インドのデトロイトと呼ばれるチェンナイには、ヒュンダイをはじめとする韓国の自動車メーカーが総出で工場を設置している。

仲良くなるとおせっかい

 インド財界人の特徴は、ガードは堅いが一度仲良くなると面倒見が非常にいいことだ。マメにメールをくれて、いろんな人を紹介してくれる。例えば、世界第4位の二輪メーカーであるバジャイ・オートのラフル・バジャイ会長がこう教えてくれた。「インドで事業をしたいなら、とにかく現地の良いパートナーを見つけることだ。インドでは、インド人にしか分からないことが多い。またインド人でも、地域によって言葉も慣習も違う。インドという大海は外から見たら非常に美しい。しかし、魅力に心奪われ準備不足で自分一人で飛び込むと、中には悪魔が住んでいるよ」。インドで出会った別の財界人は、インドに強い関心を示した私に「インドに行ったらこの人に会いなさい」とのリストを毎日のように送ってくれる。最初はそのおせっかいぶりに驚いたが、有り難いことだ。

 あるロンドン在住のインド人企業家は「5000年の歴史のある国だ。インドで事業を始めるためには5年計画で考えた方がいい。焦って儲けようとしてはダメだ。『私たちと付き合いたい、一緒にビジネスしたい』という企業は世界中に山ほどある。まともな事業家なら、おいしそうな話があっても、簡単には乗らない」と指摘する

 インド有数の財閥ジャラン・グループのスディールジャラン会長は、こうアドバイスをくれた。「最初の1年はパートナー選びに費やせ。そのためには徹底的にインド人とつき合うことだ。インド人に限らず、どの国にも良い奴もいれば、悪い奴もいる。それだけだ。インド人は親しくなれば裏切らない。親しくなる基準はお互いの家を行き来できるようになること。インド人を家に招くことができたら、成功への第一歩を踏み出したと思ってよい。そして招き返してもらえれば本当の友だ。そうなれば良い情報が入ってくる」。

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「インド人の自信「常に我々の時代なのだ」」の著者

田村 耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)

前参議院議員

早稲田大学卒業、慶応大学大学院修了(MBA取得)、米デューク大学ロースクール修了(証券規制・会社法専攻)(法学修士号取得)、エール大学大学院修了(国際経済学科及び開発経済学科)経済学修士号。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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