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こじれた人間関係、どの筋を通す?

敵を作らない「中立主義」で本当に戦えるか

2011年8月11日(木)

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 職場で可愛がってくれていた先輩同士が喧嘩になり、どちらにつくこともできず、気まずい状態が続いています。職場トラブルに中立でいることは可能ですか? その方法は?(20代女性)

 遙から

 もう他界されたが、私の敬愛する先輩が残した言葉で忘れられないものがある。

 「いい? 喧嘩したら、その喧嘩相手のみならず、その相手が過去に紹介してくれたすべての人を失うということを覚えておきなさい」

 当時、先輩が喧嘩した相手とは、彼女が親友だと思っていた人間だった。「裏切られた」と傷心にあえぐ姿を私は後輩ながらにハラハラとただ見るしかなかった。

 そんな折、喧嘩した相手が、私たちの業界でいうところの、大物人物に会いに行った。その大物とは過去に先輩自身が紹介した人物だ。大物は、会いに来た相手にこう言い放ったそうだ。

 「あなたとお付き合いしたのは紹介した人がいたから。しかし喧嘩したと聞いています。それならもはや、あなたとお付き合いする理由もなくなりました」

 その筋を通した言葉が嬉しい、さすが大物は違う、と、たいそう喜んで先輩は私にそのエピソードを語った。

 確かに筋は通っているのだろうが、それにしてもずいぶん極端なやり方だなぁ、と、まだ20代の私はそのエピソードに素直に共感できなかったのを覚えている。

 また、こうも言った。

 「中立というのはないのよ。AさんとBさんが喧嘩した時、そのAさんとBさんのどっちとも仲良く付き合うCさんというのは、やがて、情報を相手に漏らす役割を果たすことになる。情報をつかんだほうは相手の足を引っ張ろうとする。だから、いずれCさんをも遠ざけざるを得ない」

 私は、そこまで白黒はっきりさせるか、と驚がくし、ご相談者同様、自分は皆と無難で適度な距離感のある付き合いがしたいと願ったりもした。

 だが、私もその先輩の世代に近づいた。

 そして、仕事をしていくうちに、親友だと思っていた人物と致命的にトラブルことがある、ということも経験した。

 その場合、やっかいなのは、長年の関係性が、人的ネットワークをダブらせていることだ。

 喧嘩は個人的なこと、と、達観しようにも、そのネットワークが終始、喧嘩相手の“今”を情報として私の耳に届けてしまう。聞き流そうにもつい「相手は裏で、そんな言い方をしているのか」と感情的になったりする。

 「喧嘩は個人的なこと。どうぞ私にお気になさらず、これまで通り、あちらとも自由にお付き合いください」という大人ぶった言葉がいかに虚勢であるか。

 それは経験して初めて知った感覚だった。

 “中立はない”“情報を漏らす”という亡き先輩の言葉がそんな時よぎった。

 また、喧嘩相手が、私が過去に紹介したこれまた大物の仕事相手に頻繁に会いに行っていることも当然私の耳に入ってくる。

 「今日も会いに来てくれた」という、大物からの義理堅い連絡で私はそれを知るが、私は事情を話さなかった。それもまた大人ぶった判断だ。

 しかし内心は正反対だ。いちいち、くそっ、くそっ、と歯ぎしりしているのだ。

 やがて、その時は来た。

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「こじれた人間関係、どの筋を通す?」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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