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言葉で探る新旧「シューカツ」事情(後編)

厳しくなる採用方針、増えすぎる情報、いまだに続く新卒重視

2011年8月23日(火)

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 就活用語特集の後編です。前編では採用スケジュール、企業選びに関係する用語を観察しました。今回は、企業による学生の選定方針、学生と企業のアプローチ、面接、不採用に関する言葉を紹介します。

より厳しくなる採用方針

 企業はどんな方針で学生を採用するのでしょうか? 言い換えれば、企業はどんな人材を欲しがっているのでしょうか?

 企業の採用方針は一般に「○○採用」という語形で表現することが多いようです。例えば「コンピテンシー採用」や「厳選採用」などの用語が登場しています

 コンピテンシー採用とは、業務に適した行動特性を持つ学生を採用すること。コンピテンシー(competency)を辞書で引くと、「能力や適性」という意味が載っています。ただ人事評価などの分野では「優れた成果を残す人の行動特性」を意味します。新卒者の場合、現実の仕事上の行動特性を判断することは難しいため、コンピテンシーソース(性格・知力・志向性・対人スキル・課題解決力などの特性)という物差しを使って、自社業務との適否を判断する方法が一般的です。

 もう一つ就活分野で最近よく聞くようになったのが、厳選採用という言葉。文字通り解釈すると「学生を厳しい基準で選ぶ採用方針」、実質的には「基準未満の学生は、たとえ合格者が予定人数に足りなくても採用しない方針」を意味します。筆者の実感では、コンピテンシー採用も厳選採用も2000年代に入ってからよく聞くようになりました。

 ここ数年の流行語としては「グローバル採用」を挙げるべきかもしません。これは人材を国外にも求める採用方針を指します。製造業や小売業などで、国内市場の縮小を背景にした海外進出が大きな課題になっています。これに対応するには、人材の国際化が不可欠となります。もはや就活学生のライバルは、国内の学生だけでなく海外の若者にも広がったと言えます。

 こうしてみると企業の採用方針が以前と比べて大きく変化していることが分かります。コンピテンシー採用では「学生の特性をより深く注視するように」なり、厳選採用では「採用する学生の能力の基準を高く保とう」としている。そしてグローバル採用では「国内にこだわらずに人材を確保しよう」としているわけです。総じて言えば、企業が学生に求める能力がかつてより高くなっていると言えます。

情報過多なネット就活が、企業や学生を悩ませる時代

 次に就活において、企業と学生がどう出会うのかを分析してみましょう。企業が学生に対して、学生が企業に対してどうアプローチするのか、というお話です。

 企業と学生のアプローチで、ここ20年間に起きた最大の変化は「インターネットの登場」でしょう。リクルートが大学生向けの就職案内サイト「リクルート・ナビ」(現在のリクナビ)を開設したのが1998年10月のこと。以来、就活とネットは切っても切れない関係になりました。

 ネットの出現が契機となり定着した就活用語も幾つかあります。その代表格は「エントリーシート」(ES)。学生が企業に対して提出する「採用申込書」のことです。

 実はこの仕組みは1991年にソニーが採用したもの(当時は紙ベース)が始まりだと言われています。リクルーターを媒介にした学閥的な採用過程を、よりオープンにするために導入した仕組みでした。これが「ウェブエントリー」とか「ネットエントリー」などの名称で、ネット上の就活でも定着しました。

 ただ本来はオープン化を志向していたエントリーシートが、実際にはオープンではない採用過程を生み出しているのでは、ということが懸念されています。例えばシートに記入した大学名を「足切り」に利用している企業がある、という話があります。就活のネット化は、企業の本音を分かりにくくしているのかもしれません。

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「言葉で探る新旧「シューカツ」事情(後編)」の著者

もり ひろし

もり ひろし(もり・ひろし)

新語ウォッチャー(フリーライター)

CSK総合研究所を経て、1998年から新語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・新聞・ウェブサイトなどに原稿を提供中。2009年より『現代用語の基礎知識』(自由国民社)で「流行現象」のコーナーを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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