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米欧市場混乱、指導力不足の咎

  • ニューヨーク支局 細田 孝宏,ロンドン支局 大竹 剛

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2011年8月23日(火)

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格下げ、景気二番底懸念…、相次ぐ負の材料で世界の金融市場が混乱した。米国は大統領選を見据えて対立が先鋭化し、欧州では各国の足並みが乱れる。深刻化する政治のリーダーシップ不在が、景気回復を遠のかせている。

 米ワイオミング州の片田舎、ジャクソンホールでのイベントが今年も世界から注目されることになった。

 8月26日、ベン・バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は、同地で開かれるカンザスシティ連邦準備銀行主催の金融シンポジウムで講演する。世界の金融市場が大きな動揺を見せる中、各国から中央銀行総裁、エコノミスト、学者らが参加する毎年恒例のシンポジウムで、議長は何を話すのか。

 「新たな金融政策について何らかの言及をするのではないか」。市場関係者からそんな声が出ている。米経済のデフレ懸念が強まった昨年、この講演で量的緩和第2弾(QE2)を示唆した「実績」があるからだ。景気に不透明感が広がる中で市場が期待するのはさらなる量的緩和、つまりQE3である。

 だが、現実はそう簡単ではない。まず、FRB内の意見調整が難航すると予想される。「2013年半ばまでゼロ金利を続ける」と表明した8月9日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では3人の委員が反対した。量的緩和の副作用に懸念を抱く委員たちがQE3導入にすんなり同意するかどうかは不透明だ。

 7月の中国の消費者物価指数が前年同月比で6.5%上昇するなど、新興国ではインフレ対策が課題となっている。さらなる「ドルばらまき」によってインフレを加速しかねないQE3に対しては国際的な批判も予想される。

 そもそも量的緩和が景気回復に有効なのか、という疑問も残る。懐疑派の懸念を裏づけたのが、7月29日のGDP(国内総生産)改定値だった。改定後のGDPは米景気の減速を印象づけ、QE2の効果に疑問を投げかけた。

景気二番底、「3分の1の確率」

 「金融緩和では直せない構造的な問題が残っている」。バークレイズ・キャピタルのシニア米国エコノミスト、マイケル・ゲイペン氏は言う。住宅価格の指標となるS&Pケースシラー住宅価格指数は2003年と同じ水準で低迷したまま。量的緩和をしても金融機関が優良顧客にしか貸し出さない状況では住宅市場の回復はおぼつかない。

 先の債務上限問題を決着させるに当たり、民主、共和両党は今後10年間で、2兆5000億ドルの財政赤字削減で合意したばかり。財政出動による景気刺激が難しい以上、すがれるのは金融緩和しかない。こうした手詰まり感も手伝い、市場には「3分の1の確率で二番底に入る」(ゴールドマン・サックス)といった声さえ広がり始めている。

 最大の問題は不安を払拭すべき政治がかえって混迷を深めていることだ。

 「米国は常にトリプルA国家であり続ける」。米国債格下げに対し、バラク・オバマ大統領は強がってみせたが、債務上限問題で露呈したワシントンの機能不全はしばらく続く。上下両院の「ねじれ」に加え、共和党内では歳出削減の徹底を求めるティーパーティーが強硬姿勢を貫いており、そう簡単に与野党の妥協は成立しない。歳出削減案の詳細を詰める11月23日の期限までには、再び議論が紛糾するとの見方が既に大勢となっている。

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