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日銀はデフレ・円高を阻止する「非常手段」を打て

REIT、株ETFの大規模購入でリフレ効果が出る

  • 竹中 正治

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2011年8月24日(水)

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 円相場が1995年の歴史的な高値だった1ドル=79.75円を更新して続伸している。「米国債の格下げとユーロ圏の政府債務危機で、欧米諸国の状況が深刻化している。そのため消去法で円やスイスフランが買われている」というメディアの市況解説は奇妙だ。

 既に日本国債は最上級から4番目の「AAマイナス」(S&P)、米国債は今回初めてS&Pの最上位から1つ下の「AAプラス」になっただけで、依然日本国債より上位にある。米国債の格付け引き下げが問題の根源であるなら、どうしてより低い格付けの日本円に資金が移動するのか。

円高、本当の理由

 筆者は3月11日の東日本大震災の直後に起こった円高に関連して、日本は恒常的な経常収支黒字と低金利である故に、内外の投資家のリスク・テイク意欲が委縮すると、円売り・高金利通貨買い持高が巻き戻される(=円買い行動になる)ので円高に振れやすくなる特性があると説明した(『大震災危機でなぜ円高になるのか』2011年3月20日)。

 ただしこれは短期(数カ月)から中期(数年程度)の円相場の1つの要因に過ぎない。長期的な要因としては、「高インフレ=通貨の購買力低下」を意味するので、高インフレ通貨は低インフレ通貨に対して為替相場が下落すると考える「相対的購買力平価原理」の説明力が最も高い。

 筆者の元の勤務先である(公益財団)国際通貨研究所の購買力平価と市場相場を重ね合わせた図表をご参照いただきたい。

 短期的、中期的に市場相場は購買力平価から乖離しながらも、長期的には購買力平価に回帰するように変動していることが視覚的にもご理解いただけるだろう。

 筆者はこのシンプルな知見とその利用を一般に普及させるために著作や講演で過去5年間説明を繰り返してきた。このことが分かっていれば、2006年前後の円安局面で個人投資家がグローバル・ソブリンなど高金利通貨債券に投資する投資信託を大量に買って、その後の円高で大損することも回避できはずだ。

目先1~2年は円高が持続する

 一方、為替相場の短期・中期的な要因は複数あるが、筆者の知る限り、短期・中期の為替相場の変動を十分な一貫性をもって説明できる理論モデルは考案されていない。人間が予想に基づいて行動選択を変える経済現象では、自然現象と異なり「客観的な予測」が成り立たないのだ。

 しかし、経験則に基づきながら、ある程度の蓋然性で中期的な見通しを立てることは全く不可能でもない(円相場を論じる時は、正確には日本の主要貿易相手諸国との円相場の加重平均で計算される実効円相場ベースで語るのが正しい。だが、それだと話が複雑になるので、以下ドル円相場に絞って説明する)。

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