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「大連立」と「再編」の岐路

2011年8月24日(水)

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菅直人首相の後継を選ぶ民主党代表選の号砲が鳴った。その先にあるのは、民主、自民両党による大連立か、政界再編か。「決められない」今の2大政党の枠組みの終焉が近づいてきた。

 民主、自民、公明3党が急転直下、赤字国債発行法案成立で合意したことで、延命への万策が尽きた菅直人首相。与野党の様々な思惑が渦巻く中、民主党は「ポスト菅」選びに走り出した。

 代表選には野田佳彦財務相、馬淵澄夫・前国土交通相、小沢鋭仁・元環境相が意欲を示す。ベテランの鹿野道彦農林水産相、樽床伸二・元国会対策委員長も積極的だ。知名度の高い前原誠司・前外務相への期待論も残る。海江田万里・経済産業相を推す声もある。

 民主党内では水面下で多数派工作が活発化してきたが、今回の代表選はこれまでとは違う様相を呈している。民主党のあるベテラン議員が解説する。

 「今回は、自民、公明両党との関係をどう考えるのかという政権の枠組みが争点に加わった。路線対立が先鋭化すれば、代表選が党の『終わりの始まり』になりかねない」

財務省が推す「野田首相」

 新政権の枠組みに関する論争に火をつけたのが野田氏だ。

 「救国内閣を作るべきだ」。13日のテレビ東京の番組で、野田氏は自民、公明両党などとの大連立を目指す考えを明言した。

 これまで幾度となく浮かんでは消えてきた大連立構想。野田氏が再び口にした背景には、参院で与党が過半数を割る「ねじれ国会」の下、東日本大震災からの復興に向けた今年度第3次補正予算案編成などを控え、迅速な政策実現を図る狙いがある。

 菅首相の辞意表明後、民主党執行部は自公両党とマニフェスト(政権公約)大幅見直しなど協調路線を進めてきた。ただ、世論の動向次第などでこうしたムードは一変しかねない。安定的な政権運営にはもう一段踏み込んだ枠組み作りが欠かせないとの判断だ。

 大連立実現へのハードルは高い。民主党の支持率が低迷する中、自民党では早期の衆院解散・総選挙に追い込むべきとの声がくすぶる。各党内で意見集約は容易でないのが実情だ。それでもあえて野田氏が打ち上げたのは、自公との協調路線を引き継ぐのは自分と党内外にアピールする思惑がにじむ。

 さらに、別の事情もありそうだ。ある政府関係者は「代表選が『増税』対『反増税』の構図に矮小化されるのを恐れた財務省幹部が争点を増やすよう野田氏やその周辺にアドバイスした」と指摘する。野田氏は、政府税制調査会長として復興増税や社会保障財源に充てる消費増税の旗振り役を演じてきた。財務省にとって身内のような存在だ。

 これに対し、馬淵氏、小沢鋭仁氏らは早期の増税に反対する。党内で最大勢力の小沢一郎・元代表や鳩山由紀夫・前首相のグループでも増税に反対する声が多い。代表選の争点が増税の是非に絞られれば、野田氏に不利に作用するのは必至。「反増税派」が代表に就けば、財務省が根回ししてきた増税シナリオや予算編成作業の骨格が揺らぎかねない。議論の土俵を広げる有力な戦術が大連立構想というわけだ。

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「「大連立」と「再編」の岐路」の著者

安藤 毅

安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

日本経済新聞社で経済部、政治部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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