• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「1ドル75円」と「失われた30年」

  • 松村 伸二,広岡 延隆

バックナンバー

2011年8月30日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

欧米景気の急減速を受け、世界景気の「二番底」懸念が強まっている。投資資金の逃避先となった円相場は、一時1ドル=75円台で最高値を更新。日本企業の下期回復シナリオは揺らぎ、30年前と同じ株価水準に沈む銘柄さえ登場した。

 円高が収まる気配を見せない。19日のニューヨーク市場で、円相場は一時1ドル=75円95銭をつけ、最高値を更新した。欧米景気の不透明感が強まり、ドルとユーロが売られる一方で、相対的に安全資産と見なされた円が買われる構図が続いたためだ。

 昨今の円高進行に対し、政府・日銀は8月4日に日本単独で巨額の円売り介入を実施。いったんは円高の流れが止まったかに見えた。

 しかし、翌5日には、米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国債の格付けを初めて引き下げた。これまで景気を支えてきた米財政政策の発動余地が乏しくなるとの見方からドル売りが加速。経常黒字国の通貨である円への買いが改めて強まると、介入効果はあっさり消失した。

 景気の不透明感は欧州でも強まっている。南欧発の財政悪化懸念がスペインやイタリアにまで広がっただけでなく、ユーロ圏を引っ張ってきたドイツとフランスの景気にも黄信号が灯る。

欧米失速で日本も回復鈍化へ

 16日に発表された4~6月期のユーロ圏のGDP(域内総生産)では、域内最大の経済国であるドイツの成長率が前期比0.1%、フランスに至ってはゼロ成長にとどまった。最近のユーロ安基調が欧州からの輸出を支えているとの淡い期待は一気にしぼんだ。

 欧米経済の失速は日本にとって、東日本大震災後に一時落ち込んでいた生産や輸出の回復シナリオに見直しを迫ろうとしている。

 SMBC日興証券は18日、2012年度の成長率見通しを前回予測から下方修正した。実質成長率は前回予測より0.8ポイント低い前年度比プラス2.5%。見通しを据え置いた2011年度(プラス0.3%)に比べ回復幅はまだ大きい。だが予測を見直した牧野潤一チーフエコノミストは「今下期に米経済がソフトパッチ(踊り場)から脱出する、との前提が崩れ、輸出の回復時期が後ずれする可能性が高まった」と指摘する。

 輸出が想定よりも鈍化することを見越し、株式市場では、特に自動車株の軟調ぶりが目立ってきた。

 22日には、トヨタ自動車が2696円と、年初来安値を更新した。2008年12月につけた、リーマンショック後の安値(2585円)に迫る水準だ。ホンダも2009年7月以来の安値、日産自動車もほぼ1年ぶりの安値をつけた。3社のこの1カ月間の下落率は、ホンダと日産が27%前後、トヨタが19%と、いずれも、日経平均株価(15%)より下げ方がきつい。

 これら自動車株の失速には、欧米のみならず、アジアにも景気減速が波及するとの警戒感が作用している。きっかけは韓国だ。

 韓国では自国通貨のウォンが軟調だったことが輸出を後押ししてきた。しかしながら、ここにきて輸出先の欧米各国の景気に減速懸念が台頭。8月初めまで堅調だった輸出関連株に売りが出始めていた。

 その矢先の9日、同国の金融委員会は翌10日からの3カ月間、上場株式の空売りを禁止することを決定。これを受け、「ヘッジファンドが、空売りができなくなった現代自動車やサムスン電子に代わり、日本のトヨタやホンダ、シャープ、エルピーダメモリの株式を売った」(国内証券)という。

コメント0

「時事深層」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

本当の問題は労務費ではありません。 熟練技能を持つ職人さんが 少なくなっていることです。

押味 至一 鹿島社長