「田村耕太郎の「経世済民見聞録」」

韓国政財界人が日本に提唱する「大統領制のススメ!」

政治主導を実現し、国民に政治責任を気づかせる

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2011年8月31日(水)

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韓国初の女性大統領?

 ハーバード大学がアジアで主催する最大の国際会議、Harvard Project for Asia and International Relation(HPAIR)で講演するため訪韓した。4日間の滞在で韓国パワーの強さとその源を垣間見ることができた。そのことは次回の連載でお伝えする。今回は、韓国の友人・知人たちから日本への提案「大統領制のススメ」について書きたい。「大統領制のおかげで韓国はここまで発展できた。今の日本に必要なのは大統領選挙だよ」という韓国の方々の意見である。

 HPAIRのスピーカーラウンジやガラディナー(コンファレンスの締めくくりのディナー)での話題は、来年12月の韓国大統領選挙だった。韓国では既に、2012年に向けて大統領選が盛り上がり始めている。大統領選は国民全員を巻き込む一大イベントだ。現在、最右翼はやはりパク・クネ女史。パク・チョンヒ(朴正煕)元大統領の長女だ。ただ、彼女がハンナラ党の候補になれなかった場合は混戦となる。彼女は無所属でも出るだろうとの読む向きがある。そうなると、現在の与党であるハンナラ党支持者の票が割れ、野党候補が漁夫の利を得る可能性が出るだろう。韓国人たちは「最後まで読めないのが韓国大統領選挙!」と興奮を隠さない。

 韓国大統領選挙はまるで、いつもどんでん返しが起こる韓国ドラマのようだ。過去の大統領選挙の帰趨を振り返ってみよう。

韓国ドラマを地で行く大統領選

 まず前回の大統領選挙。前回もパク・クネが有力だった。ハンナラ党のジャンヌダルクと呼ばれ彼女の人気は、世論調査で沸騰していた。しかし、大統領選直前に北朝鮮が動いた。これが流れを変えた。「軍の最高司令官(=大統領)は男でないとダメだ」と世論が流れ、イ・ミョンバク氏が逆転してハンナラ党の候補となり、当選した。

 前々回の大統領選を制したノ・ムヒョン元大統領は泡沫候補だった。国会内で彼を応援する議員は1人だけ。2人で始めた選挙戦と言われた。流れが変わったのは大統領選挙直前に行われた2002年日韓ワールドカップサッカー大会だった。イタリア、スペイン、ポルトガルといった強豪を撃破し、準決勝まで進出した韓国チームは国民に勇気を与えた。ワールドカップを自国で開催する中での準決勝進出。国民は「自分たちは先進国に仲間入りした」と自信を深めた。

 先進国民としての自信を深めた国民の間で「そろそろアメリカにノーと言おうぜ」との空気が生まれた。奇しくも国会議員に当選して以来、ノ・ムヒョン氏が一貫して訴えてきたのが「アメリカにノーと言おう」だった。ワールドカップが開催されるまで「自分たち韓国は、大国アメリカに対してノーなんて言えない」と誰もノ・ムヒョンを相手にしなかった。しかし、「アメリカにノーと言おう」のムーブメントは盛り上がり続け、ノ・ムヒョンが勝った。ちなみに事前の世論調査でノ・ムヒョンは一度も他候補をリードしたことがなかった。

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著者プロフィール

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)

田村 耕太郎 前参議院議員、元内閣府大臣政務官(経済財政政策担当、金融担当)、元参議院国土交通委員長。早稲田大学卒業、慶応大学大学院修了(MBA取得)、米デューク大学ロースクール修了(証券規制・会社法専攻)(法学修士号取得)、エール大学大学院修了(国際経済学科及び開発経済学科)経済学修士号、米オックスフォード大学上級管理者養成プログラム修了。



このコラムについて

田村耕太郎の「経世済民見聞録」

政治でも経済でも、世界における日本の存在感が薄れている。日本は、成長戦略を実現するために、どのような進路を選択すればいいのか。前参議院議員で、現在は米イェール大学マクミラン国際関係研究センターシニアフェローを務める筆者が、海外の財界人や政界人との意見交換を通じて、日本のあり方を考えていく。

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