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ナイキが想うソーシャルメディア戦略

コンテンツ化された広告を人々は分かち合う

2011年9月2日(金)

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 ナイキジャパンが5月から6月にかけて、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)「mixi」で展開したソーシャルバナー広告を展開した事例は大きな成功を収めたのは記憶に新しい。ソーシャルバナー広告は聞き慣れない言葉だが、SNS内でつながる友人や知人の関係をつたって、ユーザー自身が広げていく広告を指す。国内でソーシャルバナー広告に取り組んだのはナイキジャパンが初めてだが、想定を超える結果をたたき出した。広告のクリエーティブは素材、デザインなど自由にカスタマイズできるサービス「NIKEiD(ナイキアイディー)」で、mixiのユーザーが自由にカスタマイズして作った“マイモデル”のシューズデザインを広告として配信し合ったことで、大きな反響を集めた。

 期間中、ナイキジャパンがmixi内に設置したキャンペーンページ「NIKE FRIEND STUDIO」の来訪者数は213万人に及び、その8割はユーザーが制作したバナー広告経由で訪れていた。広告のクリック率もまた通常の広告と比べてパソコン版で約11倍、モバイル版は16倍という結果を残した。広告と言えば、好みや嗜好性に合致した場合を除けば、通常は「邪魔」な存在。あまり歓迎される存在でもない広告をユーザーは支持した。ナイキジャパンのソーシャルメディア戦略についてナイキジャパンのマーケティング本部ブランドコネクションズでデジタルスーパーバイザーを務める廣瀬泰造氏、リテール本部NIKEiDマネージャーの西村真治氏に聞いた。

ソーシャルメディアからは起案しない

ナイキジャパン、マーケティング本部ブランドコネクションズでデジタルスーパーバイザーを務める廣瀬泰造氏(写真:陶山 勉、以下同)

 通常、我々がキャンペーンを手掛ける際には必ず成果指標となるKPI(Key Performance Indicator)を設定する。ただ、今回のソーシャルバナーの取り組みは我々としても初めての取り組みだったため、何をもって成功とするのか難しかったのが正直なところ。ただ、ブランドメッセージとしても常日頃、とにかく率先し、チャレンジし、イノベーティブなことに取り組むというスタンスでマーケティングの展開を心がけているため、踏み切った。リスクを恐れずにチャレンジすることこそ最も重要視される会社なので、その辺は寛大で恵まれている。失敗から学ぶことも多いという考え方が社内共通認識だ。特にインターネットを使ったマーケティングのいいところはいつでも修正可能という点。カスタマイズしていける。小さく始めて、ダメだなと思ったら修正したり、止めたりできる。何より始めないことの方が罪だ。躊躇してやらないほうが怒られる企業文化。今回は期待値を大きく超える成功につながったので結果的に良かった。

 ソーシャルバナー広告に取り組んだ結果、何が分かったか。それは広告が「コンテンツ化」することがいかに重要かということだ。楽しんでクリックしてもらい、楽しんで体験してもらう環境を作り出すことができた。そして、質が異なることを学んだ。例えば、大手ポータルサイトのバナー広告の役目が幅広く誰にでも伝えるという目的に対し、ソーシャルバナー広告はよりターゲットされた、よりデジタル好きな人に対して広がった。我々はツイッターもアカウントを持って展開しているが、キャンペーン開始直後から好意的なコメントが次々に寄せられた。

 なぜフェイスブックでなくミクシィで展開したかのか。我々は常日頃、リーチしたいユーザーがどこにいて、どのような活動をしているかというところからマーケティングを考える。フェイスブック、ツイッター、ミクシィと様々なソーシャルメディアが乱立しているが、何を使うかというところからは発想しない。あえて言うならば、ミクシィはまず国内においてフェイスブックよりもユーザー数が多い。加えて、10代、20代のユーザーが多い。フェイスブックは現在、ミクシィよりももっとエッジが効いたような、アーリーアダプターの人たちが集まっている場所と見ている。もちろん昨年実施したグローバルでのデザインコンテストのように、フェイスブックも最大限活用している。そういう各国をまたいで使えるのはフェイスブックならではの良さだ。今回はあくまでも我々がリーチしたい、消費者像から選んだに過ぎない。

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「ナイキが想うソーシャルメディア戦略」の著者

原 隆

原 隆(はら・たかし)

日経コンピュータ記者

宮崎県出身。お酒が好きです。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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