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『Japan as Number One』ははるか遠く 野田政権が直面する今の日本

日本学者ヴォーゲルが見る課題と前途

  • 大野 和基

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2011年9月6日(火)

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―― 野田佳彦氏が新首相に就任した。野田政権が解決すべき課題は何か。大事なものから順に3つ挙げてほしい。

ヴォーゲル:まず震災復興。次に財政再建。3つ目は成長戦略だと思う。これら3つが最重要課題だろう。これらはすべて、お互いに関連している。

―― この3つを選んだ理由は何か。

スティーヴン・K. ヴォーゲル
カリフォルニア大学バークレー校準教授。プリンストン大学卒業。バークレー校で政治学博士号。専門は、先進工業国、特に日本の政治経済学。「ジャパン・タイムズ」の 記者、「インターナショナル・ヘラルド・トリビューン」「フィガロ」のフリー特派員を経験。

ヴォーゲル:震災復興は喫緊の課題だ。震災からまだ数カ月しかたっていないが、住宅やビジネスを再建し、被災者のニーズを満たす。インフラを復活させ、経済を成長させる。原発問題にも対処する。そして、東北地域を再建する。

 加えて、新政権が前政権よりも立派な仕事ができることを示すことが非常に重要である。菅政権が取った対策は十分に効果的だったとは言えない。東北以外の地域は、震災によって大きな影響は受けていない。だが、菅政権が震災に対して適切に対処できなかったと認識している。野田政権が菅政権よりも立派に仕事ができることを示すことが絶対に必要だ。

 ここで重要なのは、リーダーシップだ。野田氏は、強力なリーダーシップを発揮し、国民のニーズを満たし、自分の責務を果たしていると納得させなければならない。政策の内容はもちろん重要だ。これに加えて、説得力や雰囲気、姿勢においてもリーダーシップを発揮しなければならない。

 さきほど、震災復興、財政再建、成長戦略の順で課題を挙げたが順序を変えよう。成長戦略が2番目だ。財政再建が3番目。

 日本経済は長いこと弱っている。より強力な経済にするためには、日本は生産性を高める必要がある。人口の増加が期待できない以上、生産性の向上しか成長をもたらすものはない。

 菅政権は2010年6月に新成長戦略を策定した。策定するのに非常に時間がかかった。さらに、ほとんどの人はその内容を評価しなかった。

 成長戦略は3つ目の財政再建に直接関連する。安定した経済成長がなければ、財政再建はうまくいかない。日本は先進国の中で最も財政赤字が多い国だ。日本国債のほとんどは、日本の国民や比較的安全な金融機関が持っているので、差し迫った危機ではないだろう。だが、日本にとって長期的な問題である。

―― 財政再建のための増税についてはどう思うか。

ヴォーゲル:いずれしないといけないと思う。政府支出を伴う政策は目白押しだ。政府支出を増やさないと、成長は起こらない。もちろんそれだけでもうまくいかないと思うが。

 増税で難しいのは、そのタイミングと規模だ。経済は今かなり弱くなっているから、長期的な計画を立てる必要がある。性急に事を進めるのは危険だ。加えて、増税のしすぎに注意しなければならない。日本は1997年に性急な増税を実施して、回復を台無しにした。これに学んで、同じ過ちは繰り返さないだろうが…

 一方で、借金をコントロールする長期的な政策が具体的にあることを、国債の所有者に示す必要がある。その中に、増税は間違いなく含まれるだろう。

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