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世界へ羽ばたく外向き・肉食日本人学生たち

ソウルで日本の夜明けを感じた

2011年9月14日(水)

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バブル期より増加した海外留学生

 前回は、韓国社会における激しい競争の背景について書いた。今回はその韓国で見た日本人学生のたくましい肉食・外向きぶりについて紹介したい。

 日本の若者について、相変わらず、草食・内向きといった評価が多いと聞く。海外にいる私には、日本の若者の全体像をつかむのは難しい。だが、草食・内向きが増えたという実感はわかない。私の周囲では、外向き学生は減っていない。

 現在私が滞在するアメリカへの留学生数は減っている。しかし、世界全体で見た場合、日本人の海外留学生の総数はバブル期より増えている。2010年12月に文部科学省が発表した「日本人の海外留学者数」によると2008年に海外の大学などに留学した日本人の数は6万6833人だった。ブル絶頂期の1989年は2万2798人。4万4035人も増加しているのだ。

 アメリカに来ている学生もたくましい。この連載で紹介した、エール大の古賀健太君やハーバード大学の小林亮介君、岡洋平君などは、学部生として米国人学生と堂々と互角以上の競争をしながら、スポーツや芸術にも精を出している。私はこうした学生をこの目で見てきた。

 大学院留学組も、数だけは多かった私が留学していた90年代半ばと比べて、学校や社会に積極的に溶け込んでいる。数が多いと日本人社会ができてしまうが、数が減れば、そうはいかない。様々なイベントや勉強会を企画して外国人学生と交流している。中学や高校時代を英語圏で過ごした英語が上手な学生も増え、授業でも活発に意見を言って目立っている。

HPAIRに、活きのいい日本人学生数が集まった

 8月下旬にソウルで開催されたHPAIR--ハーバード大学が主催するアジア最大の学生による国際会議--でも、日本人学生の活躍が目立っていた。これに参加した日本人学生は32人。日本で開催した回を除けば過去最多だった。日本の大学に通う学生もいたが、海外の大学に学ぶ日本人もいた。

 今回の参加学生の何人かはフェイスブックやツイッターで私をフォローしてくれており、ソウルに行く前から「ソウルでお会いするのを楽しみにしております」とメッセージを送ってくれていた。ツイッターなどで彼らの元気な活動の様子を拝見していたが、実際に会うとさらに活きがよかった。

 講演後の質疑応答でもパネルディスカッションでも、外国人スピーカーや聴衆に臆することなく、アグレッシブなアメリカ人や中国人学生を押しのけて手を挙げて鋭い質問をしていた。韓国政界の大物議員であるチョンモンジュ氏や米大統領候補であったマイク・デュカキス州知事などのスピーカーが答えに窮する場面もあった。様々な交流イベントでも、ダンスを披露するなど、多彩なパフォーマンスで人気を博していた。

 私が登壇した最終日のパネルにも多くの日本人学生が駆けつけてくれた。私のパネルのテーマは「ビジネス・リーダーシップ」。各国政府が取る政策がグローバル企業の経営戦略に与える影響を話し合うセッションだ。私以外のパネリストは、世界最大級の会計コンサルティング会社デロイトのグローバル税務会計コンサルタントとブルームバーグの編集委員。「政治、政府、民間すべてを経験している田村さんには、各界の連携の現状と課題について語ってほしい」とテーマを振られた。

民間を経て政治を目指せ!

 私は政官財の人材交流の重要性を訴えた。私が政財官の人材交流を説く背景には、今後の政治や行政には、民間の経営センスがこれまで以上に必要になると思うからだ。そもそも国家運営の要諦は、税収や社会保険料などの国家収入を、社会の安定と前進のためにいかに効率よく投資していくかである。つまり、ビジネスと同様に政治も、その根幹は国家のための資金運用である。

 加えて、「これからますますグローバル企業と政府との軋轢が増すのではないか?」との読みがある。企業の目的は収益の最大化だ。そのオーナーは株主。株主の多くは一定の資産を持つ富裕層。そして株式会社制度の下では、投資家は1人1票ではなく、資産を多く持つ人はたくさんの議決権持つ。

 一方、政府の目的は社会の安定だ。政府のオーナーは国民。その大多数はたくさんの資産を持つような人々ではない。そして1人が1票しかもたない。

 企業の意志と国家の意志はかい離していく可能性が高い。今後、グローバル企業は、より有利な税制や規制、市場を求めて移動を重ねる。政府にとって、グローバル企業は雇用や税収を生み出してくれる存在だ。彼らをひきつける税制改正や規制緩和が必要になる。しかし、それを実行すると所得格差の拡大、競争激化などを引き起こし、社会をより不安定にしてしまう可能性がある。

 政府にとって、雇用や税収を生み出すグローバル企業を、国民の不満や社会の不安定を生まない形で、いかにひきつけるかが重要になると思う。

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「世界へ羽ばたく外向き・肉食日本人学生たち」の著者

田村 耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)

前参議院議員

早稲田大学卒業、慶応大学大学院修了(MBA取得)、米デューク大学ロースクール修了(証券規制・会社法専攻)(法学修士号取得)、エール大学大学院修了(国際経済学科及び開発経済学科)経済学修士号。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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