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今なお、すれ違う被災者と企業

2011年9月29日(木)

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 今年4月に東日本大震災の被災地を取材し、「日経ビジネス」5月16日号に「すれ違う被災者雇用の現場」という記事を執筆した。

 震災1カ月後にはすでに人材サービス会社を中心に被災者向けの就業支援活動が始まっていたが、求職者と求人企業のマッチングは難航していた。求人そのものは全国から多数集まるものの、被災者に効率的に届く仕組みがなかったのだ。

 ある人材サービス会社が避難所を回って開いた無料の就職相談会には、相談者が1人も来ない日もあった。イベントそのものを周知する手段が少なく、昼間の避難所には働き盛りの年代の人々がほとんど残っていなかったためだ。震災後にはインターネット上に被災者向けの求人サイトが次々と立ち上がったが、キャンプ施設を転用した避難所の多くは、ネット接続環境が整っていなかった。

 地域密着型の雇用サービス機関であるハローワークには求職者が列をなしていたものの、検索システムの利用時間が1人30分に限られるなど、就業支援体制は万全ではなかった。宮城県内の職場が津波の被害を受けて失職した40歳代の男性は「県外に求人があるなんてハローワークでは教えてもらえなかった」と不満を訴えていた。

 厚生労働省の発表によると、4月下旬時点の被災者向けの求人数は全国で約2万6000人分。この大半は東北地方以外の求人で、多くの求職者が職を得るには県境をまたいで就業する必要があった。このため5月の記事では、ハローワークと人材サービス会社の連携による広域マッチングが被災者雇用を促進するカギになると結論付けた。

 それから4カ月が経過し、再び被災者雇用に取り組む企業を取材した。すると、広域マッチングが成立しにくい、被災地特有の雇用事情に気づかされた。

NTTエムイーが9月1日に開いた被災地域社員の入社式

 9月1日。NTT東日本の設備子会社、NTTエムイーは被災地で新たに採用した社員31人を東京・池袋の本社に集めて入社式を開いた。新入社員の半数近くは、震災をきっかけに職を失った人々だ。入社後は被災地で通信設備の復旧・運用業務などに携わる予定だという。

 同社は当初、40人の採用枠で被災者を対象に中途社員を募集したが、応募者総数は153人にとどまった。通常の中途採用ならば募集倍率が数十倍になる同社にしては、今回の被災者求人は難航したようだ。技術者としての適性とやる気を選考基準として応募者を絞り込んだ結果、入社人数は当初計画に2割届かなかった。

 同社では応募者がもともと住んでいた県内で勤務できるよう配慮したが、「沿岸部の被災地から内陸の県庁所在地に移るだけで強い抵抗感を示す人もいた」(総務人事部)。地元を離れられないという理由で、選考途中で入社を断念するケースもあったという。

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「今なお、すれ違う被災者と企業」の著者

白石 武志

白石 武志(しらいし・たけし)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社編集局産業部(機械グループ)、京都支社、産業部(通信グループ、経営グループ)を経て、2011年から日経ビジネス編集部。現在は通信、半導体、家電業界などを担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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