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「農漁業、今こそ6次産業化を」

みずほ総研理事長に聞く

  • 伊藤 正倫

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2011年9月30日(金)

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 政府が、本格的な復興予算となる2011年度第3次補正予算案の編成に動き出した。復興増税に積極的とされる野田佳彦政権が誕生し、復興財源を巡る議論も活発化してきた。毀損した被災地のインフラ、経済をどのように立て直し、そして財源はどうあるべきなのか。元財務事務次官でみずほ総合研究所理事長の杉本和行氏に聞いた。

(聞き手 伊藤正倫)

―― 第3次補正予算案では港湾や道路などのインフラ整備が柱となりそうですが、被災地の経済をどう再生するかについてはビジョンが明確になりきっていない印象があります。

 東日本大震災は、日本が抱えていたいくつかの問題点を前倒しで顕在化させました。エネルギー政策、少子高齢化を踏まえた都市のあり方、農漁業の再生などです。これらは被災地だけでなく、成熟社会に突入した日本全体が避けて通れない課題でもある。単にインフラを震災前の姿に戻すのではなく、こうした課題に対応できる経済、社会を念頭に被災地の復興ビジョンを描いていく必要があります。

 インフラを元通りに戻すだけではだめだという教訓が、1995年の阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けた神戸港です。言うまでもなく日本有数の国際貿易港で、震災2年後には全面復旧しましたが、コンテナ取扱量は震災前に比べて落ち込んだままです。

 この間、アジアでの国際ハブ港の地位を巡る競争は激しく、韓国・釜山港などに積荷を奪われたのです。仮に、神戸港を24時間対応など国際ハブ港に必要な機能を付加する形で復興できていたなら、国際競争から踏みとどまれたかもしれません。復旧する間も、世の中は動いていることを忘れてはいけないということです。

―― それでは、今回はどのような復興ビジョンが必要なのでしょうか

みずほ総合研究所の杉本和行理事長は「震災を、日本が抱える課題に対応するきっかけとすべき」と指摘する

 例えば農漁業です。東北は経済に占める農漁業の割合が比較的高い地域ですが、少子高齢化によって慢性的な担い手不足に陥っています。震災がなかったとしても、農漁業はジリ貧になる一方です。今こそ、若い世代を呼び込み、農漁業の活性化に挑戦する時ではないでしょうか。もはや、国内にどんどん工場を作って雇用を吸収する時代ではありません。農漁業に民間などの外部資本を呼び込み、大規模化を進める仕組みが欠かせません。海水をかぶった農地や漁港の復旧ももちろん重要ですが、同時に、民間企業が農業生産法人をもっと設立しやすくするなどの規制緩和を検討すべきです。

規制緩和で地域社会も再構築

 また、農漁業を第1次産業にとどめるのでなく、食品加工(第2次産業)、流通・販売(第3次産業)にも主体的に取り組む“6次産業化”を推進する必要があります。農作物の産直販売は確かに増えていますが、もっと大きなレベルで実行し、各地の農業が差異化を進めれば、国内の消費者のニーズをさらに満たし、市場も広がる。さらに、品質力を武器に中国やアジアといった海外の需要ももっと取り込めるはずです。それは地域社会を作り直すことにもつながります。

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