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EV100台を5分で“満タン”に

宇都宮市のベンチャーが急速充電の新システム開発

2011年10月4日(火)

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 電気自動車(EV)には、充電に時間がかかるという難点がある。現在のところ、急速充電器といえども、蓄電池の容量の80%まで充電するのに30分くらいかかってしまう。そこで、栃木県宇都宮市のベンチャー企業「エネルギー応用技術研究所」が、同時に100台以上のEVを約5分でフル充電できるという「電力貯蔵式急速充電システム」を発明した。

 今後、国内外を問わず、電気自動車(EV)の市場投入が加速していくと予想される。しかしながら、EVには、充電に時間がかかるという難点がある。現在のところ、フル充電時の航続距離は約150キロメートルだ。そのため、急速充電器のインフラ整備がEV普及の鍵を握っている。ところが、現状では、急速充電器といえども、蓄電池の容量の80%まで充電するのに30分程度かかってしまう。これでは長距離を移動しようと思った時、充電が煩わしい。

栃木県宇都宮市のベンチャー企業「エネルギー応用技術研究所」の菅野富男社長

 このような課題を解決しようと、栃木県宇都宮市のベンチャー企業「エネルギー応用技術研究所」が、同時に100台以上のEVを約5分でフル充電できる「電力貯蔵式急速充電システム」を発明した。国際特許も2011年4月に取得している。

 社長の菅野富男氏は、自動車メーカーや蓄電池メーカーなどで合計約20年間勤めていた技術者だ。「EVを普及させるためには、ガソリンの給油と同程度の時間で充電できるシステムを開発する必要がある」と考え、一念発起し、2006年に1人で起業した。

貯蔵用蓄電池から一気にEVへ

 現在、EVの蓄電池を充電する方法は、町中の急速充電器を使って充電する「急速充電」と、家庭の電源で充電する「普通充電」の2通りがある。

 急速充電に関しては、日本では、「チャデモ方式」が、実質的な国内標準仕様になっている。チャデモ方式の場合、送電線から送られてくる交流電力を、まず、急速充電器に内蔵された「整流器」で交流から直流に変換する。さらに、充電するEVの蓄電池の種類に応じて、充電条件を制御し、充電している。

 現在、EVに搭載されている蓄電池の種類は自動車メーカーによって異なる。また、送電線から一度に大量の電力を引き込むと、電力系統に大きな負荷を与えてしまう。そのため、チャデモ方式では、1台の急速充電器で、同時に充電できるEVの台数を1台にしており、充電に約30分を要する仕様にしてある。

従来の急速充電方式と菅野氏が開発した急速充電方式の違い

 菅野氏が開発した電力貯蔵式急速充電システムも、急速充電器に内蔵された整流器で送電線から送られてくる交流電力を直流に変換するところまでは、チャデモ方式と同じだ。異なるのは、その先の部分である。

 整流器で直流に変えた電力をいったん1600キロ~2400キロワット時という大容量の貯蔵用蓄電池にためる。そして、充電の際には、整流器と貯蔵用蓄電池の間の接続を切り、貯蔵用蓄電池からEVの蓄電池へと一気に電力を送り込む。それにより、電力系統への負荷を与えることなく、5分という短時間で急速充電できるようになった。

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「EV100台を5分で“満タン”に」の著者

山田 久美

山田 久美(やまだ・くみ)

科学技術ジャーナリスト

早稲田大学教育学部数学科出身。都市銀行システム開発部を経て現職。2005年3月、東京理科大学大学院修了(技術経営修士)。サイエンス&テクノロジー、技術経営関連の記事を中心に執筆活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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