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大王製紙に見る企業の“不統治”

2011年10月3日(月)

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大王製紙創業家の3代目が子会社から借り入れた84億円の使途は不明のままだ。同社に起きた事件は、経営者個人の問題として切り捨てられない。第三者的な立場の社外取締役・監査役をうまく活用している企業は多くないからだ。

 9月16日、業界3位の大王製紙で、井川意高・前会長(16日付で辞職)がグループ会社から総額84億円を個人的に借り入れていたことが発覚した。井川氏は、佐光正義社長に促されて会長職を辞任したものの、多額の貸付金の使途は不明のままだ。井川氏の父である元社長の井川高雄・最高顧問が弁済を申し出たため業績に影響はないという。47歳の井川氏は、今年6月末に社長から会長に就任したばかりだった。

 今回の騒動の原因は、一義的には、創業家3代目という立場を乱用した若き経営者のモラル欠如にあるには違いない。ただ、そうとばかりは言えない面もある。というのも、日本企業に共通する、旧態依然としたコーポレートガバナンス(企業統治)の不備も見え隠れするからだ。

半数の企業で社外取締役が不在

 大王製紙の場合、全取締役14人のうち社外取締役の数はゼロだった。

 同社に限らず、社内出身の役員で取締役会を固める日本企業は珍しくない。社外取締役・監査役の紹介などを手がけるプロネッド(東京都港区)によると、6月末時点で東京証券取引所に上場している2272社のうち、社外取締役がいない企業は全体の49%、1人しかいない企業は26%に上る。

 米国の上場企業では取締役の過半数は社外取締役である必要があるし、英国でも一定規模の時価総額を持つ企業では社外取締役が半数以上を占めている。米英の例に照らし合わせれば、日本の取締役会が内輪の論理に支配される恐れは小さくないと言える。

 東証はこうした事態を打開して、海外の投資家に経営の透明性をアピールするために一昨年、「独立役員」制度を導入した。独立役員とは「一般株主と利益相反が生じる恐れのない社外取締役や社外監査役」を指す。上場企業には最低1人の確保が義務づけられた。

 大王製紙では、2008年6月から社外監査役を務めている元四国管区警察局長の警察OBが、制度導入に合わせて独立役員となった。社外監査役はほかに弁護士が2人いるため、元社員の常勤監査役2人と合わせて監査役5人のうち3人が社外監査役。会社法が定める「監査役は、3人以上で、そのうち半数以上は、社外監査役でなければならない」という規則を一応は満たしていた。

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「大王製紙に見る企業の“不統治”」の著者

上木 貴博

上木 貴博(うえき・たかひろ)

日経ビジネス記者

2002年に筑波大学を卒業し、日経BP入社。「日経ビジネス」「日経情報ストラテジー」「日経マネー」編集部などを経て、2016年4月から現職。製造業を中心に取材中。趣味は献血(通算185回)。相撲二段。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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